日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

超上級者向け!現代文のおすすめ参考書4選

現代文が得意あるいは現代文を強みにしたいという人に向けておすすめの現代文参考書を紹介したい。僕は現代文の参考書を数多く使ってきた。その中でもレベルが高かったものを紹介したい。 なんで現代文を極めてきたかというと、僕は理系だったけど国語が大好…

華やかなセレブの裏側は? / 『セレブリティ』 ウディ・アレン

www.youtube.com 作家志望の芸能記者リーは、なんとかセレブリティの仲間入りをしようと、女優、モデル、人気俳優に近づくが、ことごとく振り回される。その彼と離婚した元妻ロビンは、自分の生きかたをマイペースで貫き、いつのまにかセレブリティの仲間入…

Audible(オーディブル)で聴ける芥川賞受賞作品をまとめてみた

最近、聴く読書ことAudible(オーディブル)が話題になっている。聴くことができる本がどんどん増えており、ジャンルの幅広い。 Audible(オーディブル)で聴くことができる本の中から、芥川賞を受賞した作品をまとめてみた。オーディブルライフの参考になれ…

パリは移動祝祭日 / 『ミッドナイト・イン・パリ』 ウディ・アレン

www.youtube.com 『ミッドナイト・イン・パリ』は、ヘミングウェイのエッセイ『移動祝祭日』で描かれている1920年代のパリを舞台にしたロマンチックファンタジーだ。ウディ・アレン監督の作品の中でもベスト3に入るんじゃないかなと思う。 あらすじは、主人…

前進しないサメは死んでしまう / 『アニー・ホール』 ウディ・アレン

Annie Hall Official Trailer #1 - Woody Allen Movie (1977) HD - YouTube ウディ・アレン監督作品の代表作といえば、『アニー・ホール』だ。ちなみに、この『アニー・ホール』は1977年アカデミー賞の主要4部門を受賞している。 数々のおしゃれな恋愛映画…

第167回芥川龍之介賞の候補作を紹介する!

第167回芥川賞の候補作が発表された。有力視されていた作品が候補になったり、意外な作品が候補になっていた。芥川賞の候補予想は難しい。 候補作は、小砂川チト「家庭用安心坑夫」(群像 6月号)、鈴木涼美「ギフテッド」(文學界 6月号)、高瀬隼子「おい…

ウディ・アレン監督はどのようにして生まれた? / 『映画と恋とウディ・アレン』

『アニー・ホール』や『ミッドナイト・イン・パリ』など数々の名作を残してきたウディ・アレン監督。多作な映画監督として知られるウディは、アカデミー賞に何度もノミネートされ、今でも第一線で映画を撮り続けている。名作を生み出し続けてきた彼の映画作…

本棚は自分の興味関心の「地層」 (あるいはチバニアンと孫氏の兵法)

本棚は自分の興味関心の「地層」だと思う。 本棚に本が山ほど積み上がっているから地層に見えたのかというとそうではない。 そうでもないと言ったが、3割ぐらいはその理由もあるかもしれない。 じゃあ、残り7割の理由は何かというと、本棚の中身を見ている…

「映える」本棚を求めて (あるいは岩波書店とみすず書房の徳の高さについて)

僕は本を買うとき、頭のどこかで「映える」本棚を意識しているように思う。 ここで言う「映える」本棚というのは、Instagramで沢山の「いいね」がもらえるお洒落な本棚のことではない。 逆にインスタ映えする本棚が見てみたい。蔦屋書店のような間接照明を活…

春樹のススメ!初心者におすすめしたい村上春樹の短編小説集5選

今や日本を代表する作家・村上春樹。その人気は日本にとどまらず、世界中で読まれている。洒脱な表現や比喩と、巧みなストーリーテリング、魅力的な謎解き要素などの魅力が詰まった村上春樹作品。これから村上春樹を読むという人のために、初心者におススメ…

ピース又吉の現代文学ブックガイド / 『第二図書係補佐』 又吉 直樹

第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫) 作者:又吉 直樹 幻冬舎 Amazon ピース又吉といえば、芸人で初めて芥川賞を受賞した作家だ。又吉直樹が芥川賞を受賞した時はちょうど本屋で働いていたのだけれど、『火花』の売り上げは本当に凄かった。在庫がなくて入荷…

自分の人生に対する違和感 / 「一人称単数」 村上 春樹

村上春樹の「一人称単数」という短編では、人生の可能性を絞り込んだ先に待ち受けていた一人称単数の世界が描かれている。「一人称単数」で描かれているのは自分の人生に対する違和感だ。

ウディ・アレン版「罪と罰」 / 『教授のおかしな妄想殺人』 ウディ・アレン

Irrational Man www.youtube.com 教授のおかしな妄想殺人!?正直に言うと、初めてみたとき、おかしなタイトルだなと思った。原題はIrrational Manで、日本語にすると『不合理な人』といった感じになるだろうか。ウディ・アレンの映画には原題と違った邦題が…

人生はそんなもんさ / 『僕のニューヨークライフ』 ウディ・アレン

ウディ・アレン といえばニューヨークだ。『マンハッタン』など、これまでにニューヨークを舞台にした映画を数多く撮ってきた。最新作の『レイニーディ・イン・ニューヨーク』もタイトル通り雨が薫るニューヨークを舞台にした映画だ。ウディ・アレンのニュー…

第167回芥川龍之介賞の候補作を予想する

plutocharon.hatenablog.com もうすぐ芥川賞の候補作が発表されると言うことで、芥川賞の候補作を予想してみた。上半期で印象に残った小説や推したい小説を中心に予想した。 芥川賞を簡単に説明すると、新人作家の純文学作品に与えられる文学賞だ。文学賞の…

Audible (オーディブル)で聴く読書を初めてみた

最近、聴く読書ってどうなんだろって思い始めた。きっかけは村上春樹原作の映画『ドライブ・マイ・カー』だ。『ワーニャ伯父さん』の朗読テープを車で聞くシーンがあって、耳で小説を聴いてみるのもいいのかもしれないなと思い始めたのだ。 というわけで、色…

幻想に取りつかれた大人たち / 『恋のロンドン狂騒曲』 ウディ・アレン

軽いラブコメディと思いきや... www.youtube.com ウディ・アレン監督の映画といえば、ユーモアに富んだ会話と、「人生は無意味だ」といったシニカルな作風で知られている。 『恋のロンドン狂騒曲』は、ウディ・アレン映画の中でも人生の諦念に満ちた映画だ。…

ドラマでも変わらないウディ・アレン / 『ウディ・アレンの6つの危ない話』 ウディ・アレン

Crisis in Six Scenes - Official Trailer | Prime Video - YouTube ウディ・アレンのドラマがPrime Videoに公開されているので観てみた。タイトルは『Crisis in Six Scenes』、日本語だと『ウディ・アレンの6つの危ない話』 だ。 ウディ・アレンの映画とい…

大切なものは失ったあとに気付く / 『ギター弾きの恋』 ウディ・アレン

ドキュメント?フィクション?伝説のギタリストを描いた映画 「ギター弾きの恋」はウディ・アレンの映画の中でも変わった映画だ。ギターは上手いが性格に難があるギタリスト:エメット・レイをドキュメンタリータッチで描いた伝記映画という風になっている。…

今日もビッグマックを食べた!読むとビッグマックが食べたくなる小説2選

前を向きたい時、僕はビッグマックを食べる。 買った後読めずに積んでいた単行本が文庫化した時、ビッグマックを食べた。 本を買って帰ったら同じ本が本棚にあった時、ビッグマックを食べた。 雨に降られて鞄に入れていた文庫本がふにゃふにゃになってしまっ…

もう一度18歳に戻りたい? / 「32歳のデイトリッパー」 村上 春樹

皆さんは18歳に戻りたいだろうか? 僕としては、戻りたい気もするし、戻りたくない気もする。今の記憶を持って戻ったら、未熟な18歳の僕でももっとマシな立ち回りができたんだろうなと思う。 村上春樹の短編「32歳のデイトリッパー」では、18歳に戻りたいか…

意外すぎる?村上春樹が芥川賞を受賞していないことについて

現代日本文学を代表する作家・村上春樹。その人気は日本にとどまらず、世界中で広く読まれ愛されている。 それもあってか、ノーベル賞が発表される時期になると、「ノーベル文学賞最有力候補」ともてはやされている。まあ、ノーベル文学賞の候補は公表されて…