日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

システムと魂 / 「壁と卵」-エルサレム賞・受賞のあいさつ- 村上 春樹

もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます。 この文章は、村上春樹がエルサレム賞の受賞スピーチの中の一文だ。村上春樹のスピーチの中でも一番有名なものかもしれない。村上春樹の小説そのものも…

完璧な「翻訳」をめぐる冒険 / 『ドリーミング村上春樹』

10/19公開『ドリーミング村上春樹』公式予告編 完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。 村上春樹読者なら大体が知っている有名な文章だろう。これは『風の歌を聞け』の冒頭の文章だ。文字通り、村上春樹はここから始まり…

ウディ・アレン最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の公開日がついに決定!

ウディ・アレン最新作「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」日本版予告解禁 大学生のカップル、ギャツビーとアシュレーは、ニューヨークでロマンチックな週末を過ごそうとしていた。きっかけは、アシュレーが学校の課題で有名な映画監督ポラードにマンハッタ…

村上春樹の新作短編小説集「一人称単数」が7月に発売!

一人称単数 (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 村上春樹の短編集が6年ぶりに発売されることになった。タイトルは「一人称単数」。『風の歌を聞け』でデビューしてから、「僕」という一人称の可能性を追求してきた村上春樹らしいタイトルだと思う。…