日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

世界で愛されるミシマ文学!三島由紀夫の新潮文庫売り上げランキング

www.jiji.com 2020年11月25日で三島由紀夫が陸上自衛隊市ケ谷駐屯地で割腹自殺してから50年が経つ。『金閣寺』や『潮騒』など数々の名作を残し、海外でも高い評価を受けノーベル文学賞も受賞まじかだったと言われている。右翼的な政治的立場も立ち、実際の…

ピタゴラスイッチ的殺人事件 / 『死亡フラグが立ちました!』 七尾 与史

“死神”と呼ばれる暗殺者のターゲットになると、24時間以内に偶然の事故によって殺される――。特ダネを狙うライター・陣内は、ある組長の死が、実は“死神”によるものだと聞く。事故として処理された組長の死を調べるうちに、他殺の可能性に気づく陣内。凶器は…

洋上の激闘!巨大カジキ戦争 / 『老人と海』 ヘミングウェイ

八十四日間の不漁に見舞われた老漁師は、自らを慕う少年に見送られ、ひとり小舟で海へ出た。やがてその釣綱に、大物の手応えが。見たこともない巨大カジキとの死闘を繰り広げた老人に、海はさらなる試練を課すのだが――。自然の脅威と峻厳さに翻弄されながら…

サバの味噌煮というバタフライ・エフェクト

雁 (新潮文庫) 作者:森 鴎外 新潮社 Amazon 「サバの味噌煮」を食べると、人生の頼りなさについて考えてしまう。サバの味噌煮なんてありふれた料理だと思うけど、僕にとっては特別な料理だ。こう思う様になったのは、たぶん、森鴎外の『雁』という小説のせい…

ピアスやタトゥを通じて描かれる、生きることの痛み / 『蛇にピアス』 金原 ひとみ

蛇のように舌を二つに割るスプリットタンに魅せられたルイは舌ピアスを入れ身体改造にのめり込む。恋人アマとサディスティックな刺青師シバさんとの間で揺れる心はやがて…。第27回すばる文学賞、第130回芥川賞W受賞作。 歳をとらないと深く理解できない小説…

現代版マッチ売りの少女 / 『ミステリアスセッティング』 阿部 和重

歌を愛し、吟遊詩人を夢見ながらも、唄う能力を欠いた19歳の少女シオリ。唄うことを禁じられ、心ない者たちにその純粋さを弄ばれても夢を抱き続けるシオリに、運命はさらなる過酷な試練を突き付ける。小型核爆弾だというスーツケースを託され、東京の地下深…

謎解き『TENET』/ 2回目を観るときにチェックしたい小ネタまとめ

映画『TENET テネット』の舞台裏!メイキング映像 スパイ映画×時間逆行SFというこれまでに類のない映画『TENET』。現代を代表するクリストファー・ノーラン監督の最新作だ。『インセプション』や『インターステラー』など難解な作品を作り続けてきたクリスト…