日々の栞

生活にカルチャーを。本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

『オデュッセイア』を観る前に知っておきたい「ゼウスの掟」とは

 


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クリストファー・ノーラン監督の超大作映画『オデュッセイア』が公開される。『オッペンハイマー』、『TENET』、『インターステラー』などで知られるクリストファー・ノーラン監督の最新作である。

最新作は古代ギリシャの詩人ホメロスによる叙事詩『オデュッセイア』を原作とした壮大な作品だ。この作品を見る上で欠かせない概念が「ゼウスの掟」と言うものだ。

 

この記事では『オデュッセイア』を観る前に知っておきたい「ゼウスの掟」について解説したい。

 

 

クリストファー・ノーラン最新作『オデュッセイア』とは?


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オデュッセイア』は、『オッペンハイマー』でアカデミー賞7部門を制したクリストファー・ノーラン監督の最新作である。原作は古代ギリシャの詩人ホメロスによる叙事詩で、西洋文学の源流と称される英雄譚だ。

トロイア戦争を終えたイタケ王オデュッセウスは、妻と息子の待つ故郷への帰還を目指す。しかし海神ポセイドンの怒りを買った彼の前には、神々の介入、怪物、荒れ狂う海といった容赦ない試練が立ちはだかり、旅は10年に及ぶ。一方のイタケでは、王の不在に乗じて王国を狙う求婚者たちが妻ペネロペに迫り、故郷でもう一つのドラマが進行する。

主演はマット・デイモン。トム・ホランド、アン・ハサウェイ、ロバート・パティンソン、ゼンデイヤ、シャーリーズ・セロン、ルピタ・ニョンゴら豪華キャストが脇を固める。長編映画史上初となる全編IMAXフィルムカメラ撮影を敢行し、モロッコ、ギリシャ、イタリア、アイスランド、スコットランドの5か国で実写にこだわった撮影を行っている。実物大のトロイの木馬まで建造した徹底ぶりは、ノーランらしい真正性への執念を物語っている。2800年語り継がれてきた物語を、圧倒的スケールで体験できる一作である。ノーラン最新作は是非ともフルIMAXで鑑賞したい。

 

 

ゼウスの掟とは?

「ゼウスの掟」というのは客人歓待の掟のことである。クセニアともいう。

ホメロスの世界では、ゼウスは「ゼウス・クセニオス(客人の守護者ゼウス)」という別名を持ち、旅人・客人・嘆願者を保護する神とされる。

見知らぬ者が家を訪れたら、まず食事と寝床を与え、素性は後で尋ね、去るときは贈り物を持たせる。逆に客人は主人の家を荒らさず、もてなしを乱用しない。相手によって態度を変えず互いに敬意を払う道徳観が物語の重要な鍵を握る。

この相互の義務が「ゼウスの掟」であり、これを破る者にはゼウスの罰が下る、というのが物語全体を貫くルールだ。この掟を知って映画を見てみると、話の展開が納得できるものとなる。

 

 

まとめ

ゼウスの掟とは、客人は平等にもてなさなければならないという客人歓待の掟だ。見知らぬ者が家を訪れたら、まず食事と寝床を与え、素性は後で尋ね、去るときは贈り物を持たせる。逆に客人は主人の家を荒らさず、もてなしを乱用しない。相手によって態度を変えず互いに敬意を払う道徳観が『オデュッセイア』の物語展開の鍵を握る。

 

 

『スター・ウォーズ:アソーカ』シーズン2の内容を予告から考察する

スローン大提督やアナキンスカイウォーカーの登場で話題を集めた『スター・ウォーズ:アソーカ』。そのアソーカのシーズン2の予告がついに解禁された。

アソーカのシーズン2配信開始日は2027年1月20日で、Disney+にて日米同時独占配信される予定である。

この記事では公開されたアソーカシーズン2の予告動画を元にアソーカシーズン2について内容を予想していきたい。

 

 

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『スター・ウォーズ:アソーカ』とは?


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スター・ウォーズ:アソーカ』は、2023年にDisney+で配信されたスターウォーズのスピンオフシリーズである。主人公は、アナキン・スカイウォーカーの唯一の弟子でありながらジェダイの道を離れた元パダワン、アソーカ・タノ。アニメ『クローン・ウォーズ』『反乱者たち』で長く愛されてきた彼女が、ついに実写の主役の座に就いた作品だ。

舞台は帝国が崩壊した後の新共和国時代、『マンダロリアン』とほぼ同時期にあたる。物語の焦点は、銀河の彼方へ姿を消したスローン大提督の帰還を阻むこと。アソーカはかつての仲間サビーヌ・レンやヘラ・シンドゥーラとともに、行方不明のエズラ・ブリッジャーを追って未知の宇宙へ旅立つ。

見どころは、師アナキンとの因縁を描く回想と、二刀流のライトセーバー戦。静謐な間合いと重厚な音楽が、従来のシリーズとは異なる空気を生んでいる。ベイラン・スコールら「灰色」の敵役も印象深く、善悪の二元論に収まらない人物描写が本作に厚みを与えている。

ちなみにだが、アニメ『反乱者たち』を見てから『アソーカ』を観ることをおすすめする。

 

 

『スター・ウォーズ:アソーカ』のシーズン2の予告が公開


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ディズニー公式イベント「D23」で、『アソーカ』シーズン2の予告動画が解禁された。そして『アソーカ』のシーズン2の配信開始日が2027年1月20日になることも明かされた。

予告で描かれていたのは、帝国の後継者を名乗るスローン大提督の再始動である。圧倒的な知略を持つスローンは、反乱同盟軍に対して宣戦布告。銀河に新たな戦争の気配が広がるなか、アソーカたちは再びライトセーバーを手に戦いへ身を投じることになる。スローンを中心とする大規模な戦いがシーズン2の軸になることは間違いなさそうである。

また、シーズン2にもアナキン・スカイウォーカーが登場することが確定した。予告では、アナキンとアソーカが共闘するシーンが描かれていた。

 

 

予告編から内容を考察する

この記事では、予告編から読み取れる内容をさらに深掘りしたい。

 

『スター・ウォーズ:アソーカ』の時代背景


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まず、『アソーカ』の時代背景を説明しよう。『アソーカ』の時代背景だが、『エピソード6 / ジェダイの帰還』から約5年後(9 ABY前後)にあたる。ドラマ『マンダロリアン』や『ボバ・フェット / The Book of Boba Fett』とちょうど同じ時期だ。『マンダロリアン』でもアソーカが登場している。

エピソード7 / フォースの覚醒』まではまだ20年以上あり、スター・ウォーズ全体の歴史から見ると「EP6とEP7の中間」というよりは、かなりEP6直後に寄った時期に当たる。

帝国が倒れて数年しか経っておらず、人々がようやく内戦の終わりを実感し始めた頃である。『エピソード6 / ジェダイの帰還』のエンドアの戦いの翌年(5 ABY)に起きた「ジャクーの戦い」で勝敗が決し、「銀河協定」が結ばれたことで公式な銀河内戦は終結した。協定により帝国中央政府は降伏したものの、各地に散らばった帝国勢力(残党)が消滅した訳ではなかった。『マンダロリアン』でも描かれたように、帝国残党が暗躍している時代である。『マンダロリアン』では、帝国残党のモフ・ギデオンとの戦いが描かれていた。

『アソーカ』での敵はスローン大提督である。スローン大提督は、バラバラになっていた帝国残党をまとめ、再度帝国の復活させることを狙っている。

 

 

スローン大提督の宣戦布告


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シーズン1で別の銀河(惑星ペリディア)から戻ってきたスローン大提督だが、予告編では宣戦布告しているシーンが描かれていた。

スローンは予告編の中で、相手を「新共和国」ではなくあえて「反乱同盟軍」と呼んで宣戦布告を行っていた。スローンの認識では「帝国が滅びて正統な新政府が誕生した」のではなく、「反乱軍が一時的に銀河の中枢を不法占拠し、勝手に新共和国を名乗っているだけ」に過ぎないと言うことだろうか。

 

 

ベイラン・スコールとシン・ハティの動向


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ベイランとシン・ハティの動向もシーズン2で気になるところだ。シーズン1終盤、ベイランはスローン大提督の帰還計画には付き従わず、惑星ペリディアで「自分を呼んでいる何か」を追って単独行動を開始している。弟子であるシン・ハティも師のもとを離れ、ペリディアの現地勢力を率いるなど独自の居場所を見出し始める。

シーズン1のラストでベイランが立っていたのは、山肌に刻まれた「ファーザー(父)」「サン(息子)」「ドーター(娘)」というモーティスの神々を象った巨大な像の上であった。

予告編では、ベイランが「戦争を終わらせられる力」についての知識を持っていることが示唆されている。ベイランがペリディアの奥地で探しているのは、単なる新兵器ではなく、「光と闇、ジェダイとシス、共和国と帝国という戦争の循環そのものに介入・改変できる根源的な力」ではないかと思われる。

 

 

アソーカとアナキン


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シーズン2でもアナキンが登場する。これは期待が大きい。
なぜアナキンはルークではなくアソーカの元に現れたのか?それは師弟関係と過去の経緯が関係あると思われる。
クローン大戦中、アソーカはジェダイ聖堂爆破事件の濡れ衣を着せられ、無実が証明された後も評議会への不信感からオーダーを去った。そのため、アナキンにとってアソーカは「最後まで修行を終えさせることができなかった弟子」のままになっていた。

シーズン1の「世界の狭間の世界」で再会した際、アナキンは「お前の訓練を終わらせに来た」と言っている。アソーカの試練に関するところにだけアナキンが介入しているのかもしれない。

 

 

雪の惑星での戦いのシーン


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予告編には、針葉樹に囲まれた雪原で若き日のパダワン姿のアソーカと師匠アナキン・スカイウォーカーが共闘する様子が映っている。

このシーンの衣装に注目してみると、アナキンの防寒着は、アニメ『クローン・ウォーズ』で氷の惑星オルト・プルトニアを訪れた際のものに酷似している。一方、アソーカの毛皮コートは、デス・ウォッチを追って雪の惑星カーラックに潜入した際の衣装を連想させる。

ただし、『クローン・ウォーズ』でオルト・プルトニアに行ったのはアナキンとオビ=ワンであり、カーラックに潜入したのはアソーカ単独だった。そのためこのシーンは、過去に映像化されたエピソードをそのまま実写化した場面ではないと思われる。

『クローン・ウォーズ』では描かれてこなかったクローン戦争中の未知の任務や、あるいはシーズン1のように「世界の狭間の世界」を通じてアソーカの記憶やフォースによって再構成されたビジョン・過去の振り返りである可能性が考えられる。

また、このシーンだが、謎の対戦相手が登場している。敵が持つライトセーバーは、2つの柄をつないだようなダブルブレード形状で、さらに中央からも短い刃が伸びる非常に変則的な形状になっている。刃の色はシスの象徴である「赤」ではなく「青緑に近い色」をしているので、敵はシスではない可能性が高い。クローン戦争中にジェダイを裏切った元ジェダイの可能性があるのではと思われる。

 ダブルブレードの使い手を師弟(アナキンとアソーカ)が挟み撃ちにして戦う構図は、『エピソード1 / ファントム・メナス』でクワイ=ガン・ジンとオビ=ワンがダース・モールと戦った名シーンを彷彿とさせる。

 

 

ヒュイアンが登場


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予告編の中で最も注目を集めたシーンの一つとして、ドロイドのヒュイヤンが4本のライトセーバーを同時に構えて戦闘態勢をとる場面が描かれている。

ヒュイヤンはジェダイ・オーダーにおいて2万年以上にわたり、歴代のジェダイたちにライトセーバーの製作を指導してきた存在だ。

ヒュイヤンが対峙している相手は、ベイラン・スコールの弟子であるシン・ハティである可能性が高い。

4本の腕でライトセーバーを構えるシルエットは『エピソード3 / シスの復讐』に登場したグリーヴァス将軍を彷彿とさせるが、意味合いは大きく違う。グリーヴァス将軍のライトセーバーは自らが倒したジェダイたちから奪った戦利品であるが、ヒュイヤンは逆にライトセーバー作りを支援してきた。同じ「4刀流のドロイド/サイボーグ」というビジュアルでありながら、立場は大きく違う。ヒュイヤンVSシン・ハティの戦いの結末はいかに。

 

 

ディン・ジャリンとグローグーは登場する?


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『アソーカ』シーズン2に『マンダロリアン』のディン・ジャリンやグローグーが登場する可能性があるのではとも思っている。

 『マンダロリアン』『ボバ・フェット』『アソーカ』はすべて同一の時系列・世界観を共有しており、マンド・バース(新共和国時代)とも呼ばれる。

『マンダロリアン』でも帝国残党のモフ・ギデオンとの戦いが描かれ、ディン・ジャリンも帝国残党狩りに参加していることから合流する可能性は十分あるだろう。新共和国と非公式に協力関係を結んだマンダロリアンが、ヘラ・シンドゥーラやエズラ・ブリッジャーらと共に帝国残党対策に駆り出されると言う展開もあるかもしれない。

 

 

シーズン2配信開始日は2027年1月20日

『スター・ウォーズ:アソーカ』シーズン2の予告が公開されたが、予告の内容からはスローン対戦がいよいよ本格的に描かれることが期待できる。早く配信開始してほしいな。

アソーカを観るためにはディズニー+に登録する必要がある。『マンダロリアン』といったスターウォーズの名作スピンオフも観れるので是非登録して見てほしい。

 

 

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雨穴の『変な地図』はいつ文庫化されるのか?

最近のホラー小説ブームの走りであり、人気シリーズとなっている雨穴の「変な〇〇」シリーズ。その新作の『変な地図』が発売された。

海外でも話題を呼び、推理小説の最高峰の賞として知られる英国のダガー賞の翻訳部門で、作品「変な絵」の英訳版が2026年の最終候補に選ばれている。

 

この記事では『変な地図がいつ文庫化されるのか書きたいと思う。

 

 

『変な地図』ってどんな作品?

変な地図

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人気シリーズとなっている雨穴の「変な〇〇」シリーズの新作が『変な地図』だ。

まずはこのシリーズの概要を説明しようと思う。出発点は2021年刊の『変な家』である。中古一軒家の間取り図に、どうにも説明のつかない空間がある。その違和感を設計士・栗原とたどっていくだけの話なのだが、読み進めるほど図面が別の意味を帯びていく。250ページほどの薄さで文庫版も出ており、入口としてはこれ以上ないほど軽い。2024年には実写映画化もされた。

次が『変な絵』。九枚の奇妙な絵に隠された事情が、終盤で一本につながる。ここでの栗原は脇に回るが、シリーズ特有の「バラバラの断片が最後に噛み合う」快感は、この作品で完成したと言っていい。なお『変な家2』は独立性が高いので、後回しでも支障はない。

そして最新作『変な地図』である。主役はあの栗原の学生時代。祖母が古地図を握りしめて死んだ理由を追い、廃集落やトンネルを巡る。作者自身が「集大成」と位置づけるだけあって、前二作を通っていると刺さる箇所が確実にある。

 

 

 『変な地図』はいつ文庫化されるのか?

変な地図

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それでは『変な地図』の文庫化時期はいつぐらいになるだろうか?同じ双葉社・同じ双葉文庫という点で『変な絵』文庫版(2025年1月16日発売)が最も参考になるだろう。過去の『変な家』、『変な絵』の文庫化までの期間を見てみると、およそ約2年3〜6ヶ月ぐらいである。

この過去の期間を考えると、2028年1月末で、双葉文庫の配本が月中旬に寄ることを踏まえると、2028年1月あたりが可能性があるのではないかと思う。

ただ、『変な家2』が2年8か月経っても文庫が出ていないのでもっと長引く可能性があるかもしれない。

 

作品 単行本 文庫 間隔
変な家(飛鳥新社) 2021/7/26 2024/2/1 約2年6か月
変な絵(双葉社) 2022/10/20 2025/1/15 約2年3か月
変な家2(飛鳥新社) 2023/12/18

 

まとめ

変な地図

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雨穴の『変な地図』だが、過去の規則性を考えると文庫本発売時期は2028年の6月下旬になるのではと考えられる。

 

 

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このホラーがすごい!2026年版のランキング上位10作品を紹介!

最近、ホラー小説が熱い。『近畿地方のある場所について』などモキュメンタリーホラー小説がブレイクしたことから人気が高まっているように思う。

最近、ホラー小説ランキング、「このホラーがすごい!2026年版」が発表された。

今年も多くのホラー小説が登場し、ホラーファンにとっては見逃せないランキングとなっている。

 

この記事では「このホラーがすごい!2026年版国内ベスト10」に入ったホラー小説を紹介したい。

 

 

「このホラーがすごい!」とは?

このホラーがすごい!」は、宝島社から発売されているホラー小説のランキング本である。簡単に言うと「このミステリーがすごい!」のホラー版だ。国内・海外のホラー小説を対象に、識者や書店員などの投票によってランキングが決定される。
単なるランキング本ではなく、著者へのインタビューやホラーに関する特集記事なども充実しており、ホラーファン必携の一冊となっている。
「このホラーがすごい!」のランキングは一年間のホラーを振り返る上で非常に参考になる。ランキング上位の作品はどれも魅力的なホラー小説ばかりだ。

ちなみに2025年の「このホラーがすごい!」1位は上條 一輝の『深淵のテレパス』だった。

 

 

このホラーがすごい!2026年版国内ベスト10

それでは「このホラーがすごい!」の2026年版国内ベスト10に輝いた作品を紹介したい。


1位:ポルターガイストの囚人 / 上條 一輝

「あしや超常現象調査」の芦屋晴子と越野草太は、古い一軒家でポルターガイストに悩まされる人物の依頼を受ける。世界で起こったポルターガイスト現象から法則性を導き出し、独自の対策を編み出して超常現象に立ち向かう二人。やがて現象は収束した……と思った矢先に、依頼人が失踪してしまう。さらに晴子と越野の周囲までもが奇怪な現象に蝕まれ始め──。「ベストホラー2024」(国内部門)、『このホラーがすごい! 2025年版』(国内編)で1位に輝いた『深淵のテレパス』に続く、〈あしや超常現象調査〉シリーズ第2弾!

2026年の「このホラーがすごい!」国内1位に輝いたのは上條一輝の『ポルターガイストの囚人』だ。『深淵のテレパス』に続く、あしや超常現象調査シリーズの2作品目である。

前作『深淵のテレパス』にて「このホラーがすごい!」国内1位を獲得した上條一輝が、デビューから2作連続で第1位を獲得するという快挙を成し遂げた。本作は〈あしや超常現象調査〉シリーズの第2弾であり、前作を超える徹底した超常現象へのロジカルな追及が描かれる。  

物語は、施設に入った父に代わり古い実家で暮らすことになった売れない役者・東条彰吾が、襖の開閉音や落下する遺影、勝手に動くこけしといった不可解なポルターガイスト現象に襲われる場面から始まる。「あしや超常現象調査」の芦屋晴子と越野草太は、世界中で報告された現象のデータベースから法則性を導き出し、独自の対策によって怪異の沈静化に成功する。しかし、安堵したのも束の間、依頼人の彰吾が失踪し、晴子と越野の周囲にも不気味な異常現象が浸食し始める。  

ただのオカルト描写に終始せず、世界的な心霊・ポルターガイスト事例の分析と緻密な伏線回収をミステリ的構造へ組み込む手腕は非常に高度である。

 

 

2位:戦前日本モダンホラー傑作選 バビロンの吸血鬼 / 会津信吾編

大正末期から昭和十年代半ばにかけて、都市部を中心に「昭和モダン」と呼ばれる大衆文化が栄えた時代に誕生した怪奇小説群を再評価し編纂した傑作選である。昔ながらの怪談とは異なる都市的で軽快かつ刺激的な恐怖を「昭和モダンホラー」と捉え、当時の文芸表現の最先端を提示している。  

昭和モダン文学の研究者である会津信吾が、当時の代表的専門誌〈新青年〉以外の犯罪実話雑誌や少年誌、大衆誌から精選した21編を全作詳細な解説付きで収録している。新奇な快楽や刺激を追い求めた都市生活者の陰影が、スタイリッシュな文章の中に鋭く描出されている。  

古典としての歴史的資料価値にとどまらず、現代のホラー文芸に通じるモダニズムの恐怖の源流を提示した点が高く評価され、2位へランクインした。  

 

 

3位:猿 / 京極 夏彦

『猿』は人間が抱く違和感や不安、そして「恐怖」の本質を徹底的に追求した長編小説である。

同居人が発した「猿がいる」という不自然な一言を契機に、主人公の日常には不気味な気配が忍び寄り始める。曾祖母の遺産相続を巡る人間関係の軋み、岡山県の山中に位置する限界集落の不穏な空気、正体不明の不安が主人公の精神を徐々に浸食していく。「ただの錯覚だ」と自分に言い聞かせる合理的な思考が崩壊していく過程が描かれている。  

圧倒的な文章量と緻密な心理描写により、読者の現実感覚を根底から揺さぶる表現力は圧巻である。目に見える怪異の派手さに頼らず、人間の認識の隙間に生じる「気味が悪い」という感情のメカニズムを浮き彫りにしている。  

 

 

3位:ベルリン警察怪異課 邪神帝国零 / 朝松 健

歴史描写とクトゥルー神話の融合において第一人者である朝松健が、代表作『邪神帝国』の系譜を継ぐ新たなバディ・クトゥルーホラーとして執筆した作品である。絵コンテやイラストには山田章博が起用され、作品の世界観を重厚に支えている。  

舞台はナチス台頭前夜にあたる1930年のベルリン。街を揺るがす連続猟奇殺人事件が発生し、警察のヴィント刑事は若き神父マスカードと協力して捜査を開始する。捜査を進める二人は、事件の陰で暗躍する黒魔術カルトと、不穏に迫る全体主義の影へと直面する。  

歴史的現実の緊張感と、人間を超越した宇宙的恐怖が不気味に響き合い、バディものとしての娯楽性とコズミック・ホラーの深みが共存している。  

 

 

5位:眼球の見る夢と現と〜飯野文彦異色幻想短編集 / 飯野 文彦

眼球の見る夢と現と

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5位:無常商店街 / 酉島 伝法

独自の言語感覚と圧倒的なイメージ提示で異彩を放つ酉島伝法による、SFとホラーの境界を無化する作品である。

翻訳家の宮原は、姉から猫の世話を頼まれて不慣れな町に滞在する。近づかないよう警告されていた商店街へ迷い込んだ宮原は、常に景観が変容し重なり合った異界が露出する怪異空間に囚われる。商店街の深淵からアリアドネの伊藤と名乗る人物に救出された宮原は、姉が異界の御神体にされてしまった事実を知る。姉を奪還するため、宮原は「掌紋祭」の「踊り合い」に参加すべく、ダンス教室での過酷な特訓に身を投じる。  

造語や精密な描写によって築かれた異界の造形は圧倒的であり、読者の言語的感覚を眩惑する不条理な恐怖とユーモアが同居する独自の世界を形成している。

 

  

7位:冷蔵庫婆の怪談 / 大島 清昭

冷蔵庫婆の怪談

民俗学的フィールドワークの手法をミステリと結合させた「怪談作家・呻木叫子シリーズ」の第4弾である。  

かつて地方の小学生の間で噂された都市伝説“冷蔵庫婆(れいぞうこばばあ)”。無人の通りで子供に近づき「もういーかい」と話しかける怪異である。その都市伝説を模倣したかのように、遺体が冷蔵庫内に放置される連続児童殺害事件が発生する。警察の捜査協力を要請された作家の呻木叫子が、事件と怪異の謎に挑む。  

娘が25歳になると自殺を遂げるおぞましい祟りを追う「蘆野家の怪談」など計4編が収録されている。人間のエゴが生み出す悲惨な犯罪と、論理の枠に収まらない怪異の曖昧な境界線が絶妙に描かれており、エピローグにかけて恐怖が増幅する構成が際立っている。  

 

 

8位:うたかたの娘 / 綿原 芹

異形への変容と伝承の不気味さを静謐な文脈で描いた短編・長編的味わいを持つホラー小説である。

不気味な人物との出会いを機にナンパに成功した「僕」は、相手の女性と故郷の若狭に伝わる奇妙な人魚伝説について語り合う。「僕」は高校時代に美貌で知られた同級生・水嶋のことを思い出す。彼女はある日、「私、人魚かもしれん」と打ち明け、幼少期にある「血液」を飲んだことで難病が完治し、顔立ちが怪しいまでに美しく変化した秘密を告白していた。  

伝統的な人魚伝承のグロテスクな側面と、現代の青春期における肉体・容姿の変化に対する違和感が重なり合い、美しくも不穏な恐怖を描き出している。  

 

 

9位:或る集落の● / 矢樹 純

P集落に暮らす姉を訪ねた「私」が、土地神《べら》を祀る小さな社に毎日お参りをする姉の様子がおかしいことに気づく「べらの社」。山から集落におりてくる”人ならざるもの”を描いた「うず山の猿」「がんべの兄弟」。尊い《まる》の声を聞くためだけに、幼い子供が山の社にひとり閉じ込められる奇妙な因習「まるの童子」。さらに「密室の獣」「天神がえり」「拡散にいたる病」を加えた7編からなる連作短編集。

『撮ってはいけない家』で注目を集めた矢樹純による、地方集落の因習と土地神信仰を題材にした連作短編集である。  

集落に暮らす姉を訪ねた主人公が、土地神《べら》を祀る社に通い詰める姉の異変に気づく「べらの社」をはじめ、山からの怪異を描く「うず山の猿」、子供を社に閉じ込める因習を描く「まるの童子」など計7編で構成される。

一見孤立した恐怖譚に見える各話が、集落全体の構造的因習として連結していく伏線回収の仕掛けが見事である。タイトルの伏せ字が示す恐怖の全貌が明かされるにつれ、逃げ場のない不穏さが強まる。  

 

 

10位:妖怪怪談 / 三津田 信三

本格ミステリとホラーの融合で高い人気を誇る三津田信三が、伝統的な日本の「妖怪」伝承を極限の恐怖として描き直した短編集である。

座敷童、河童、雪女、鬼、神隠しという周知の5つの怪異をテーマとしながら、古くからの童話や民話のポップなイメージを排し、関わった者を破滅へ導く恐ろしい存在として描写している。特に従来の座敷童子の概念を根底から覆す「なぜかいるもの」など、生々しい臨場感を伴った怪異譚が展開される。  

慣れ親しんだ伝承の背後に隠された民俗的闇を炙り出す語り口は、読者を逃れられない恐怖へと誘う。  

 

 

まとめ

このホラーがすごい!2026」国内編ベスト10には、最近のホラー小説の名作が揃った。

このランキングを参考にホラー小説を読んでみるのはどうだろう。

 

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宮島未奈の『成瀬は都を駆け抜ける』はいつ文庫化されるのか?

本屋大賞を受賞し、個性豊かな登場人物たちが話題を集めた『成瀬は天下を取りにいく』。

そこから始まった成瀬シリーズだが、この度シリーズ最終作の『成瀬は都を駆け抜ける』が発売された。

 

この記事では『成瀬は都を駆け抜ける』がいつ文庫化されるのか書きたいと思う。

 

 

『成瀬は都を駆け抜ける』ってどんな作品?

宮島未奈による成瀬シリーズの第3作『成瀬は都を駆け抜ける』は、滋賀・大津から京都の大学へと進学した主人公・成瀬あかりの新たな挑戦と日常を描いた連作短編集だ。

地元・滋賀を愛し、独自の信念に従って我が道を突き進んできた成瀬は、京都大学へと進学し活動の拠点を「都」へと広げる。歴史と学生文化が息づく京都の街を舞台にしても、成瀬の型破りで迷いのない行動力は一切揺らぐことがない。講義やサークル活動、京都ならではの行事や街並みの中で、成瀬は持ち前の知的好奇心と圧倒的なバイタリティを発揮し、新たな仲間やライバルたちを巻き込みながら独自の世界を切り拓いていく。

本作の見どころは、環境が変わり大人への階段を上り始めてもなお、世間の枠に囚われない成瀬のブレない芯の強さである。また、前作までと同様に周囲の人物の視点を通じて彼女の姿が描かれ、成瀬との出会いによって自らの進むべき道を見出していく人々の成長ドラマも丁寧に紡がれる。

滋賀での濃密な青春を経て、都の風を受けながらさらなる高みへと疾走する成瀬あかりのエネルギーが、読者に前を向く勇気と爽快感を与える一冊だ。

 

 

 『成瀬は都を駆け抜ける』はいつ文庫化されるのか?

『成瀬は都を駆け抜ける』だが、2025年12月1日に単行本として刊行された。

シリーズ前2作の文庫化時期を並べると、かなりきれいな規則性がある。この規則性を考えると文庫本発売時期は2028年の6月下旬になるのではと考えられる。

 

作品 単行本 文庫 間隔
成瀬は天下を取りにいく 2023/3/17 2025/6/25 約2年3ヶ月
成瀬は信じた道をいく 2024/1/24 2026/6/24 約2年5ヶ月
成瀬は都を駆け抜ける 2025/12/1 2028/6下旬? 約2年7ヶ月

 

① 「約2年半」という間隔

1作目は2023年3月17日発売で、2年3ヶ月後の2025年6月25日に文庫化。2作目は2024年1月24日発売で、2026年6月24日に文庫化と、文庫化までの期間は2年5ヶ月だ。ヒット作は単行本を長く売る一方、新潮社は成瀬シリーズについては比較的早めに文庫を出す方針と思われる。

 

② 「6月下旬」という月の固定
これが最も強い手がかりで、シリーズ過去2作とも6月24〜25日の発売となっている。夏の文庫フェア(新潮文庫の100冊)の時期に合わせて投入する意図があるとおもおわれるので、3作目も同じ枠に置く可能性が高いと考えられる。単行本発売月(12月)から機械的に2年半後を取ると2028年6月頃で、フェア時期ともぴったり一致する。

 

 

まとめ

成瀬シリーズ最終作の『成瀬は都を駆け抜ける』だが、過去の規則性を考えると文庫本発売時期は2028年の6月下旬になるのではと考えられる。

 

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宮島未奈の成瀬シリーズの読む順番は?

本屋大賞を受賞し、個性豊かな登場人物たちが話題を集めた『成瀬は天下を取りにいく』。この本から成瀬あかりを主人公とするシリーズが始まった。

それが通称「成瀬シリーズ」(成瀬あかりシリーズ)だ。

 

この記事では成瀬シリーズの各作品の紹介と読む順番について紹介したい。

 

 

宮島未奈の成瀬シリーズとは?

宮島未奈の『成瀬は天下を取りにいく』は、滋賀県大津市を舞台にした青春小説である。第20回「女による女のためのR-18文学賞」で大賞、読者賞、友近賞をトリプル受賞した「ありがとう西武大津店」を含む、宮島未奈ののデビュー作でもある。2024年本屋大賞を受賞した話題作で、成瀬シリーズとしてシリーズ化されている。滋賀県大津市を舞台に、中学生の成瀬あかりと幼馴染の島崎を中心に、個性豊かな登場人物たちが描かれた小説だ。

主人公の成瀬あかりは、中学2年生の少女で、コロナ禍で閉店が決まった西武大津店に毎日通い、テレビ中継に映るという奇妙な挑戦を続ける。「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」という強烈な一文はかなり印象に残る。彼女はM-1グランプリへの挑戦や、自身の髪を使った実験など、多彩な活動を通じて成長していく。成瀬のひたむきな姿勢が読む人の心を揺さぶること間違いなし。

 

 

成瀬シリーズの読む順番は?

宮島未奈の成瀬シリーズ(成瀬あかりシリーズ)の読む順番だが、是非とも刊行順に読んでほしい。

宮島未奈の成瀬シリーズは、刊行順に『成瀬は天下を取りにいく』、『成瀬は信じた道をいく』、『成瀬は都を駆け抜ける』の順で読むのがおすすめである。

 

 

①成瀬は天下を取りにいく

2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。2023年、最注目の新人が贈る傑作青春小説!

2024年本屋大賞を受賞した宮島未奈のデビュー作『成瀬は天下を取りにいく』は、滋賀県大津市を舞台に、我が道を突き進む女子中高生・成瀬あかりの青春を描いた痛快な連作短編集である。

物語は、中学2年の夏に成瀬が幼馴染の島崎みゆきへ「わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」と宣言することから動き出す。閉店を控えた西武大津店に毎日通いローカル中継に映り込む挑戦をはじめ、M-1グランプリ出場、高校での競技かるたへの挑戦など、成瀬は「200歳まで生きる」という壮大な目標を掲げながら、思い立ったことを迷わず実行に移していく。

本作の最大の魅力は、周囲の視線や世間の常識に一切囚われない成瀬の圧倒的な真っ直ぐさと、その突き抜けた行動力にある。また、物語が成瀬本人の視点ではなく、島崎をはじめとする周囲の人物の目線から語られる点も秀逸だ。最初は彼女の奇行に戸惑いながらも、その愚直な誠実さに巻き込まれ、次第に背中を押されていく人々の心の機微が鮮やかに描かれる。

実在する街のリアルな風景とともに、爽快なテンポで読者の背中をそっと押してくれる、エネルギーに満ちた傑作青春小説である。

 

 

②成瀬は信じた道をいく

成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 読み応え、ますますパワーアップの全5篇!

成瀬は信じた道をいく』は、成瀬シリーズの第二弾である。物語は滋賀県大津市を舞台に、中学二年生から高校三年生へと成長する主人公・成瀬あかりの姿を描く。高校3年生になった彼女は、相変わらず全力で我が道を突き進む。地元愛が強く、将来の夢は「二百歳まで生きること」。そんな成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。本作では、小学生の「ゼゼカラ」ファンや、娘の受験を見守る父親、近所のクレーマー主婦など、様々な人物の視点から成瀬の日常が描かれる。成瀬あかりは独特の発想と行動力を持ち、周囲の人々に影響を与えながら、自らの道を信じて突き進む。物語には、成瀬の幼馴染や新たな友人たちが登場し、彼女との関わりを通じてそれぞれの人生が動き出す様子が描かれる。成瀬の自由な生き方は、読者に勇気と希望を与え、共感を呼ぶ。全五篇からなる連作短編集であり、成瀬の魅力が存分に発揮されている作品である。

 

 

③成瀬は都を駆け抜ける

膳所高校を卒業し、晴れて京大生となった成瀬あかり。一世一代の恋に破れた同級生、「達磨研究会」なる謎のサークル、簿記YouTuber、娘とともに地元テレビの取材を受ける母、憧れの人に一途に恋焦がれる男子大学生……。千年の都を舞台に、ますます個性豊かな面々が成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎のもとには成瀬から突然速達が届いて……⁉ 全6篇、最高の主人公に訪れる大団円を見届けよ!

宮島未奈による人気青春シリーズの第3作『成瀬は都を駆け抜ける』は、滋賀・大津から京都の大学へと進学した主人公・成瀬あかりの新たな挑戦と日常を描いた連作短編集である。

地元を愛し、独自の信念に従って我が道を突き進んできた成瀬は、京都大学へと進学し活動の拠点を「都」へと広げる。歴史と学生文化が息づく京都の街を舞台にしても、彼女の型破りで迷いのない行動力は一切揺らぐことがない。講義やサークル活動、京都ならではの行事や街並みの中で、成瀬は持ち前の知的好奇心と圧倒的なバイタリティを発揮し、新たな仲間やライバルたちを巻き込みながら独自の世界を切り拓いていく。

本作の見どころは、環境が変わり大人への階段を上り始めてもなお、世間の枠に囚われない成瀬のブレない芯の強さである。また、前作までと同様に周囲の人物の視点を通じて彼女の姿が描かれ、成瀬との出会いによって自らの進むべき道を見出していく人々の成長ドラマも丁寧に紡がれる。

滋賀での濃密な青春を経て、都の風を受けながらさらなる高みへと疾走する成瀬あかりのエネルギーが、読者に前を向く勇気と爽快感を与える一冊である。

 

 

まとめ

本屋大賞も受賞した人気シリーズの成瀬シリーズ。宮島未奈の成瀬シリーズは、刊行順に『成瀬は天下を取りにいく』、『成瀬は信じた道をいく』、『成瀬は都を駆け抜ける』の順で読むのがおすすめである。

 

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夕木春央のクローズドサークルシリーズの読む順番は?

夕木春央の「クローズドサークル」シリーズは、現代本格ミステリで人気の高いシリーズだ。閉ざされた空間に集められた人々、逃げ場のない状況、そしてその中で静かに進行する謎と狂気――本シリーズは、古典的様式を踏まえつつも、独自の感性と構築力によって新たな地平を切り開いている。読者はページをめくるたび、巧妙に仕掛けられた伏線と心理の綾に絡め取られ、気づけば作品世界の密室に閉じ込められているのである。

この記事では、夕木春央が描き出すクローズドサークルの魅力と、その構造的特徴、さらにはシリーズを貫くテーマ性について考察する。シリーズを読み進めるうえでの手がかりや、作品ごとの特色にも触れながら、その奥行きに迫っていく。

 

 

 

夕木春央のクローズドサークルシリーズとは?

夕木春央の「クローズドサークルシリーズ」とは、極限状態のなかで、人間の本性と論理の限界を描く夕木春央のクローズドサークル作品シリーズである。タイトルに聖書に関連する言葉が使われていることから聖書シリーズとも呼ばれたりする。

シリーズ代表作『方舟』では、地下建築に閉じ込められた一行が、脱出の条件として突きつけられた非情な選択に向き合う。続く『十戒』では、孤立した島を舞台に、殺人犯から提示される奇妙な十の戒律が物語を大きく揺さぶる。どちらも、限られた空間、逃げ場のない状況、そして鮮やかな仕掛けが魅力である。先の読めない展開と、読後に事件を振り返りたくなる構成が特徴の、現代本格ミステリ注目のシリーズである。

 

 

クローズドサークルシリーズの読む順番は?

夕木春央のクローズドサークルシリーズの読む順番だが、各作品はそれぞれ独立した事件を描いているのだが、とある理由で刊行順に読んでほしい。この理由を言ってしまうとネタバレになってしまうのだが、この理由こそがこの作品群がシリーズになっている所以である。特に『十戒』は『方舟』の後に読まないと意味が分からず驚きも半減してしまう。

夕木春央のクローズドサークルシリーズは、刊行順に『方舟』『十戒』『楽園』の順で読むのがおすすめである。

 

①方舟

友人と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った家族と地下建築「方舟」で夜を過ごすことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、水が流入しはじめた。いずれ「方舟」は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまでおよそ1週間。生贄には、その犯人がなるべきだ。――犯人以外の全員が、そう思った。

夕木春央の『方舟』は、クローズドサークル下での人間の心理を描いたミステリーである。物語は、大学時代の友人たちと従兄が長野県の地下建築に宿泊するところから始まる。

彼らは、地震に巻き込まれ外界との接触が断たれた状態で、命がけの選択を迫られる。9人の中から一人を犠牲にしなければ全員が生き残れないという過酷な状況で、殺人事件が発生する。登場人物たちは、誰が犠牲になるべきかを巡って葛藤する。『方舟』は、古典的なミステリーの要素を現代に融合させた作品であり、読者に衝撃的な結末をもたらす。多くのミステリーランキングでも高評価を得ており、ミステリー好きには必読の一冊である。

 

②十戒

十戒

十戒

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浪人中の里英は、父と共に、伯父が所有していた枝内島を訪れた。島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。“この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”。犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。

夕木春央の『十戒』は、『方舟』に引き続いて緊迫したクローズドサークルが展開される作品である。
物語は、浪人中の主人公・大室里英が、父と共に伯父が所有していた無人島・枝内島を訪れるところから始まる。リゾート開発の視察に集まった9人の関係者たちの中で、初日の夜に不動産会社の社員が殺される。犯人は参加者の中におり、彼らは「この島にいる間、殺人犯を見つけてはならない」という戒律を強いられる。守られなかった場合、島内に仕掛けられた爆弾が作動し、全員の命が危険にさらされる。緊張感あふれる心理戦と、巧妙なプロットが特徴で、前作『方舟』に続く期待の新作として注目を集めている。読者は、最後まで目が離せない展開に引き込まれることだろう。

 

 

③楽園

楽園

楽園

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亡き両親から不動産を譲り受けた康之は、失踪した賃借人・海原の遺留品整理の際に、群馬の山奥の謎の物件の存在を知る。そこは、切り立った岩壁に囲まれた、「楽園」と呼ばれる奇妙な場所だった。恋人の沙織と一緒にそこを訪ね、探索をはじめた康之たちは、すぐに六人の“住人”に拿捕された。脱出のための条件はーー
「誰か一人を殺さなければならない」

『方舟』『十戒』で読者を戦慄させた夕木春央の最新作が『楽園』だ。シリーズ累計100万部を突破した著者が仕掛ける、第三の極限状況である。亡き両親から不動産を受け継いだ康之は、失踪した賃借人・海原の遺留品を整理する過程で、群馬の山奥にある奇妙な物件の存在を知る。切り立った岩壁に囲まれたその場所は、「楽園」と呼ばれていた。恋人の沙織とともに訪れ、探索を始めた二人は、たちまち六人の”住人”に捕らえられる。突きつけられた脱出の条件は——「誰か一人を殺さなければならない」。

 

まとめ

楽園

楽園

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夕木春央のクローズドサークルシリーズは、クローズドサークルが生まれる理由に面白さがある作品群だ。そして読む場合は『方舟』→『十戒』→『楽園』の順で読んでほしい。

 

 

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