
劇場版名探偵コナンの最新作『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』が公開された。
映画が待ちきれなかった私は公開日の次の日の土曜日に劇場に観に行った。レイトショーで見に行ったのだが、夜中でも割と埋まっていて、改めて名探偵コナン人気の凄さを思い知らされた。
興行面では、公開初日だけで動員73.9万人、興収11.3億円という驚異的なロケットスタートを記録し、前作比107%という過去最高記録を更新したみたいだ。恐るべしコナン人気。
二回ほど観て、小ネタや考察が深まったのでネタバレありで『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』の解説・考察を書いていこうと思う。
『名探偵コナン 隻眼の残像』の感想については下記の記事で書いているので気になる人はぜひ読んでみてほしい。
では、ネタバレありで『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』の解説・考察を書いていこうと思う。『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』の小ネタにも触れようと思う。
- 『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』の犯人と動機
- 荻原研二が言った姉に関する言葉とは?
- 『ハイウェイの堕天使』の青山原画シーン
- 過去の劇場版シリーズのオマージュ要素
- 『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』に関連する回・劇場版
- 脚本はミステリ作家の大倉崇裕
- 2027年の次回作も期待大
『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』の犯人と動機
「ルシファー(黒いバイク)」の実行犯+黒幕+別の黒幕という構成で、脚本の特徴である「犯人→犯人を始末しようとするさらに上の犯人」という二重構造になっている。
ルシファーと一人目の黒幕に関してはすぐに気づく人が多かったのではないかと思う。映画で登場した新規の主要キャラは全て犯人みたいな感じだったからな。
実行犯・ルシファーの正体:浅葱一華
まず、黒いスーツに身を包んだルシファーの正体は千速の先輩(元神奈川県警白バイ隊員)である浅葱一華であった。浅葱が運転アシスト機能がついた黒いバイク「ルシファー」に乗って暴走・事故幇助を繰り返していた。
浅葱はかつて追跡中、佐々木直之という被疑者を追ってバイク事故を引き起こし、左足を負傷し、怪我の影響から白バイ隊員から外れていた。
その後、大前に雇われてルシファーを操り、データ収集のための「事故」を意図的に引き起こしていた。クライマックスでは千速と直接対決していた。
黒幕:大前一暁
最初の黒幕が新型白バイ「エンジェル」の開発エンジニアである大前だ。ルシファー(=エンジェルの黒バージョン)の設計・製造に関与していた。AIシステムの開発のために「闇レース」でのデータ収集を隠蔽するため、かつての共同開発者である佐々木直之を事故に見せかけて殺害していた。また、警察の白バイ部隊から外れた浅葱を雇ってルシファーを走行させ、走行データを集めていた。序盤から割と怪しいキャラであったがすんなり黒幕だった。
もう一人の黒幕:龍里希莉子
もう一人の黒幕がバイクデザイナーの龍里だ。龍里は事故で亡くなった佐々木直之の姉だった。浅葱を大前殺害目的で雇っていた張本人。弟・佐々木直之が大前の違法計画に巻き込まれ死亡した復讐が大前を殺そうとしたというのが動機だ。大前を始末するために浅葱を利用し、計画を裏で操っていた。龍里は浅葱を利用して大前を横浜ベイブリッジの特定地点に誘い出し、ヘリコプターから狙撃手ジョン・ポウダーに狙撃させる準備を整えていたがコナンたちに未然に防がれる。
荻原研二が言った姉に関する言葉とは?
「姉貴は、美人だが、ズボラで可愛げもなく、足もさほど早くねえし、格闘技も人並みで、射撃に至ってはからっきし、だけど……バイクに跨ったら、俺のドラテクでも追いつけねぇ、日本一速い女だよ。無敵だ」
『ハイウェイの堕天使』の青山原画シーン
萩原千速関連
・オープニング前/イントロ前の初登場シーン
・あの時なんて言おうとしてたんだ」と上を向くソファーシーン(1回目の回想後)
・ラスト付近のお姫様抱っこ時の顔アップ(頬に赤み、横溝重悟とのシーンも含む)
松田陣平&萩原研二関連
・2人で笑ってる/電話シーン
・回想シーンでの会話カット(複数あり)
その他
・宮本由美&三池苗子(ミニパトで「もちろん!」と答えるシーン)
・江戸川コナン(ラストシーンでヘリコプター内で「江戸川コナン、探偵さ」と言うシーン)
過去の劇場版シリーズのオマージュ要素
最近の劇場版シリーズは、過去の劇場版シリーズのオマージュ要素が作品に含まれている。
第25作の『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』から初期の劇場版のオマージュが順番に展開されている。『ハロウィンの花嫁』では爆弾魔や爆弾の赤色と青色の液体が劇場版第1作『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』のオマージュになっている。
第26作の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』では第2作の『名探偵コナン 14番目の標的』のオマージュが散りばめられている。海中施設が舞台、人工呼吸シーンなどのオマージュシーンが散りばめられている。また、哀ちゃんとコナン・少年探偵団との関係性を描いているところだと『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』を彷彿とさせる。そして第27作『100万ドルの五稜星』は、怪盗キッドと服部平次が初めて映画に登場した第3作『名探偵コナン 世紀末の魔術師』のオマージュだろう。
今回の『名探偵コナン 隻眼の残像』のオマージュ要素というと第4作『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』のオマージュがちりばめられている。犯人を目撃しつつも記憶をなくしてしまい、犯人から命を狙われるというプロットはどちらにも共通している。
この順番で行くと、『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』には第5作『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』のオマージュ要素が含まれることになる。
『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』に関連する回・劇場版
劇場版『名探偵コナンハイウェイの堕天使』と関連する劇場版やTVシリーズ回も紹介しておく。AmazonPrimeやNetflixで見ることができる。
304話『揺れる警視庁 1200万人の人質』
映画にも登場した警察学校組の萩原研二と松田陣平が殉職してしまった原因の爆発事件を描いた304話『揺れる警視庁』は見ておいた方がいいだろう。
『揺れる警視庁』は「名探偵コナン」の中でも、非常に人気の高いエピソードだ。爆弾犯によって仕掛けられた爆弾の解体中に爆発に巻き込まれて死亡してしまった親友・萩原研二の仇を討つため、連続爆弾犯を追っていた松田陣平。しかし、そんな松田も同じ連続爆弾犯の仕掛けた爆弾解体中に、人質にされた都民の命と引き換えに殉職してしまう。そんな連続爆弾犯にコナンが挑む。『ハロウィンの花嫁』でもこの連続爆弾犯は登場している。
名探偵コナン ハロウィンの花嫁
ハロウィンシーズンで賑わう東京渋谷。渋谷ヒカリエでとある結婚式が執り行われていた。そこには、ウェディングドレスに身を包んだ警視庁・佐藤刑事の花嫁姿。コナン達招待客が見守る中、突然乱入してきた暴漢が襲い掛かり、守ろうとした高木刑事の身に危機が―!? 事態は収束し高木は無事だったが、佐藤の瞳には、3年前の連続爆破事件で、想いを寄せていた松田刑事が殉職してしまった際に見えた死神のイメージが、高木に重なって見えていた。時を同じくして、その連続爆破事件の犯人が脱獄。果たしてこれは偶然なのか?
警察学校組が登場する『ハロウィンの花嫁』も外せないだろう。『ハロウィンの花嫁』はハロウィンシーズンの渋谷が舞台。結婚式場で爆破事件の犯人が脱獄し、公安警察の降谷零(安室透)に首輪爆弾が装着される。コナンは、降谷や今は亡き警察学校時代の同期たち(松田陣平ら)が関わった3年前の事件と、現在の連続爆破事件の関連を探る。
脚本はミステリ作家の大倉崇裕
劇場版名探偵コナンの脚本だが、最近では大倉崇裕と櫻井武晴が交代で務めている。
第17作『絶海の探偵』で櫻井武晴が初めて参加し、2017年の第21作『から紅の恋歌』で大倉崇裕が初めて参加して以降 、劇場版コナンは主にこの二人によって脚本が担われる時代へと移行した。第21作の『から紅の恋歌』以降、櫻井氏と大倉氏がほぼ交互に脚本を担当するという明確なパターンが確立されている。
具体的にみてみると、大倉崇裕が脚本を担当したのは、第21作『から紅の恋歌』、 第23作『紺青の拳』、第25作『ハロウィンの花嫁』、第 27作『100万ドルの五稜星』だ。一方で、櫻井武晴が脚本を担当したのは、第17作『絶海の探偵』、 第19作『業火の向日葵』、 第20作『純黒の悪夢』、 第22作『ゼロの執行人』、第24作『緋色の弾丸』、第26作『黒鉄の魚影』、第28作『隻眼の残像』だ。
このパターン通り、『ハイウェイの堕天使』は大倉崇裕脚本作品になっていた。
また、大倉崇裕と櫻井武晴で作風の傾向が異なっている。例えば、安室透や赤井秀一、黒ずくめの組織といった公安・FBI関連のキャラクターや名探偵コナンの本筋に関連する内容が中心となる場合は櫻井武晴が、服部平次と遠山和葉、あるいは佐藤美和子と高木渉といった恋愛模様が絡むサブキャラクターが中心となる場合は大倉崇裕が起用される傾向が見られる。それぞれの脚本家の得意分野が活かされているのだろう。
特に大倉崇裕の脚本に着目してみると、人物間の関係性に深く焦点を当てることを特徴とする。特に、特定のキャラクターペア(『から紅の恋歌』の服部平次と遠山和葉、『紺青の拳』の怪盗キッドと鈴木園子・京極真、『ハロウィンの花嫁』の佐藤美和子と高木渉および警察学校組、『100万ドルの五稜星』の平次と和葉、キッド)の関係性や恋愛模様を中心に物語を構築することが多い 。大倉崇裕の脚本ではキャラクターの背景や感情の機微を丁寧に描き出し、時には原作で断片的にしか描かれていない部分を補完することもある。
2027年の次回作も期待大
『ハイウェイの堕天使』の上映後に公開された予告の内容についても紹介したい。
ビッグベンをバックに、鐘の音が響くシーンが始まり、工藤新一と毛利蘭のセリフが聞こえる。
蘭:「あんた、探偵でしょ、探偵なら私の心くらい推理しなさいよ!バカー!」
新一:「おい、ちょっと待てよ蘭!蘭!蘭?」
このやり取りは、原作71,72巻「ホームズの黙示録」(アニメ第621話など)のロンドン編で、新一が蘭に告白する有名シーンの一部を直接使用したものだ。

























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