小説
一時的にのみ活躍を見せた歌手や芸人を一発屋と読んだりする。一発屋というと芸人のイメージが強いかもしれない。 だが、ミステリ作家にも一発屋はいる。インパクトのあるトリックでデビューしたものの、その後の作品が続かない作家のことだ。 この記事では…
村上春樹といえば『ノルウェイの森』や『ねじまき鳥クロニクル』、『1Q84』などの小説で知られている日本を代表する小説家だ。 それだけでなく海外小説の翻訳も手掛けており、海外文学の紹介や翻訳を手がけるといった一面も持っている。村上春樹が手掛けた翻…
第168回芥川賞・直木賞の受賞作が1/19に決定した。 芥川賞は井戸川射子の「この世の喜びよ」(群像7月号)と佐藤厚志の「荒地の家族」(新潮12月号)のW受賞に決まった。 直木賞は小川哲の「地図と拳」と千早茜の「しろがねの葉」に決まった。こちらもW受…
売れない劇作家の青春と焦燥と挫折 高校卒業後、大阪から上京し劇団を旗揚げした永田と、大学生の沙希。それぞれ夢を抱いてやってきた東京で出会った。公演は酷評の嵐で劇団員にも見放され、ままならない日々を送る永田にとって、自分の才能を一心に信じてく…
『月の満ち欠け』で直木賞を受賞し注目を集める佐藤正午の短編集 知る人ぞ知る作家・佐藤正午が直木賞受賞で注目を集めている。直木賞の授賞式は欠席したらしいが。『スペインの雨』はそんな佐藤正午の短編集だ。佐藤正午本人を思わせるような小説家を主人公…
村上春樹の小説世界では、すんなりと男女が関係を持つ。それはもう息を吸うように。「石のまくらに」という短編も村上春樹にありがちな男女が流れで関係を持つ系の話だ。この短編は最新刊の短編集『一人称単数』に収録されている。元は文學界に掲載された「…
〇〇夫人というタイトルを聞くと幼い頃にちらっと見た『真珠夫人』のことを思い出す。このドラマは、the昼ドラと言えるような内容だった。『真珠夫人』には原作小説があって、菊池寛が同名タイトルで小説を書いている。 こんな感じで小説には〇〇夫人という…
文豪と温泉には深い関係がある。川端康成などの文豪は旅館に泊まりながら執筆することが多かった。今も読まれ続ける名作の誕生の裏には、日本の温泉地があったのだ。 僕も温泉に浸かり旅館で優雅に在宅勤務をしたい…そんな僕のささやかな夢は叶いそうにない…
2022年もあと少しで終わる。 年初には新型コロナの流行が収まって回復の年になるかと思っていたが、蓋を開けてみればロシアのウクライナ侵攻や安倍元首相の殺害事件と混迷の一年となった。また、各国でインフレが止まらず、日本においては円安が止まらなくな…
夏目漱石の前期三部作・後期三部作について解説した記事です。前期三部作の三四郎・それから・門、後期三部作の彼岸過迄・行人・こころの内容についても解説してます。
「子どもがうるさい」との住民の苦情により、子どもたちが利用する公園が廃止されることになったというニュースが話題を集めている。 廃止となったのは長野市にある青木島遊園地。市側は改善を続けたが、住民から騒音の訴えは変わらず、公園を利用する子ども…
皆さんご存知だろうか、白には200色あるということを。 某アンミカさんによると白色には200色の違いがあるようだ。(出典:2021年8月20日『人志松本の酒のツマミになる話』) この名言は、テレビ番組でアンミカさんの「小っちゃい物の良い所をコップ一個でも…
『友情』というタイトルから、友情の素晴らしさを描いた小説だと思った人は多いだろう。僕もそうだった。しかし、武者小路実篤の『友情』という小説は、爽やかな青春小説の対極にあるような、友情と恋愛の間での葛藤を描いた恋愛小説だ。夏目漱石の『こころ…
「世にも奇妙な物語」をご存知だろうか? 「恐怖系」、「コメディ系」、「感動系」 、「意味不明系」といった奇妙なテイストのオムニバスドラマだ。ストーリーテラーのタモリが印象的なフジテレビのご長寿シリーズである。 この記事では、「世にも奇妙な物語…
野球をモチーフにした小説と言えば何を思い浮かべるだろうか? 大抵の方は、『バッテリー』といった王道の野球青春小説を思い浮かべるかもしれない。だが、個人的に野球小説といえば一癖も二癖もあるポストモダン的な野球小説が思い浮かぶ。『バッテリー』が…
バカミスというミステリのカテゴライズをご存知だろうか? この「バカ」だが、決して小説をバカにした意味合いではなく、「そんなバカな!」という驚きの意味を込めたものだ。思わず「そんなバカな!」と驚いてしまうほどの意外性のあるトリックや、現実性を…
「TVピープル」は、タイトル通りTVピープルという不思議な小人が登場する村上春樹の短編小説だ。世にも奇妙な物語にありそうなストーリーだなと思う。短編集『TVピープル』の表題作でもあるので、村上春樹の短編の中でも有名ではなかろうか。 『ノルウェイの…
伊坂幸太郎は日本で大人気の作家の一人だと思う。 緻密に張り巡らされた伏線、個性的なキャラクターと軽妙な語り口、ウィットに富んだ文章が魅力だ。 特に巧みすぎる伏線回収には毎回驚かせられる。作中に張り巡らされた伏線が、後半にかけて回収されていく…
www.youtube.com 今年の11月11日に新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』が公開された。 水溜りの上にある扉の印象的なビジュアル、観るものを圧倒する華麗な情景描写。予告を観ただけでも期待が高まる。 音楽は、『君の名は。』と『天気の子』に引き続きR…
村上春樹の小説には動物をモチーフとした個性的なキャラクターが登場する。『羊をめぐる冒険』の羊男が有名だろう。あるいは、「かえるくん、東京を救う」に登場する「かえるくん」も印象に残るキャラクターだろう。 村上春樹の「かえるくん、東京を救う」は…
中島敦の『山月記』といえば、自意識にとらわれた男の苦悩を描いた名作だ。 高校の国語で勉強するので、大抵の人は読んだことがあるはずだ。 「臆病な自尊心」や「尊大な羞恥心」とキラーワードは、何者かになろうとしてなれなかった人には突き刺さるフレー…
鮮やかな伏線回収、魅力的なキャラクター、ウィットに富んだ文章で人気を集めている伊坂幸太郎。伊坂幸太郎は人気ミステリ作家の代表格だろう。 巧みな伏線が仕掛けられた伊坂幸太郎のミステリには毎回驚かせられる。特にあっと驚くようなどんでん返しが仕掛…
今週のお題「最近おもしろかった本」 今週のお題が「最近おもしろかった本」ということで、ここ数ヶ月読んだ中で面白かった本を紹介したい。小説・新書とジャンルは様々だ。 『すずめの戸締まり』 / 新海 誠 『ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を…
東野圭吾は、大人気のミステリ作家だ。 ガリレオシリーズの『容疑者Xの献身』で直木賞を受賞し、『白夜行』など有名作品を次々に送り出してきた東野圭吾。ガリレオシリーズや加賀シリーズなど人気が高いシリーズも多い。これまでに数多く作品を執筆しており…
日本の国民的作家といえば夏目漱石だろう。 『吾輩は猫である』や『坊っちゃん』、『三四郎』、『こころ』などの多くの名作を夏目漱石は生み出した。『こころ』や『夢十夜』は高校の国語で扱われることが多いので、読んだことがある人は多いはずだ。 夏目漱…
10月になってノーベル賞が発表される季節になった。 こうなると話題になるのが、「村上春樹ノーベル文学賞受賞なるか」だ。テレビでハルキストの集まりが中継され、受賞者発表後に落胆するという光景が秋の風物詩となっている。 毎年ブックメーカー(賭け屋…
現代日本文学を代表する作家といえば村上春樹だろう。 その人気は日本にとどまらず、世界中で広く愛されている。村上春樹は日本の現代作家の中で世界で最も翻訳されている作家だと言っても過言ではない。アメリカやロシア、中国、韓国、イスラエル、イギリス…
news.yahoo.co.jp 「村上春樹、今年こそノーベル賞受賞なるか?」というニュースを見かける季節になった。 もう10月になったんだなと思う。「村上春樹、今年こそノーベル賞受賞なるか?」というのはもはや秋の風物詩だ。 産経新聞によると、村上春樹は今年も…
三崎亜記の「ゴール」は人生の意味や到達点について考えさせられるショートショートだ。 日常に非日常が溶け込んだような作品で世にも奇妙な物語のテイストのような小説だ。ちょっと不思議で、三崎亜記らしい作品だと思う。 この「ゴール」だが、高校の国語…
www.youtube.com 今年の11月11日に新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』が公開される。 水溜りの上にある扉の印象的なビジュアル、観るものを圧倒する華麗な情景描写。予告を観ただけでも期待が高まる。 音楽は、『君の名は。』と『天気の子』に引き続きR…