セックスレスは、夫婦やカップルにとって重大な問題だろう。体のコミュニケーションがなくなってしまったら、二人の関係も冷え込んでしまう。セックスレスの問題を抱えながら、日々を悶々と過ごしている人は多いと思う。
だが、非常にセンシティブな問題故に相談しにくいという問題があるように思う。そんな時はセックスレスをテーマにした小説を読めば、解決の糸口を見つけることができるのではと思う。
セックスレスの苦しさや、夫婦の問題を乗り越えようとする姿を描いた小説を紹介したい。
- 奥様はクレイジーフルーツ / 柚木 麻子
- よるのふくらみ / 窪 美澄
- したいとか、したくないとかの話じゃない / 足立 紳
- Red / 島本 理生
- スイートリトルライズ / 江國 香織
- きらきらひかる / 江國 香織
奥様はクレイジーフルーツ / 柚木 麻子
結婚して三年ほどの三十歳の主婦、初美。編集者の夫とは仲が良く、優しい彼に不満はないが、夜の営みが間遠に。欲求不満で同級生の男と浮気をしそうになったり、義弟に妄想、浪人生を誘惑、果ては乳房を触診する女医にまで発情する始末。夫婦はエロさから遠ざかる? 幸せとセックスレスの両立は難しい?
夜の営みが間遠になってしまった主婦がセックスレスから抜け出そうともがく姿を描いたのが柚木麻子の『奥様はクレイジーフルーツ』だ。
よるのふくらみ / 窪 美澄
同じ商店街で幼なじみとして育ったみひろと、圭祐、裕太の兄弟。圭祐と同棲しているみひろは、長い間セックスがないことに悩み、そんな自分に嫌悪感を抱いていた。みひろに惹かれている弟の裕太は、二人がうまくいっていないことに感づいていたが――。抑えきれない衝動、忘れられない記憶、断ち切れない恋情。交錯する三人の想いと、熱を孕んだ欲望とが溶け合う、究極の恋愛小説。
したいとか、したくないとかの話じゃない / 足立 紳
Red / 島本 理生
夫の両親と同居する塔子は、イケメンの夫と可愛い娘がいて姑とも仲がよく、恵まれた環境にいるはずだった。だが、かつての恋人との偶然の再会が塔子を目覚めさせてしまう。胸を突くような彼の問いかけに、仕舞い込んでいた不満や疑問がひとつ、またひとつと姿を現し、快楽の世界へも引き寄せられていく。上手くいかないのは、セックスだけだったのに。
スイートリトルライズ / 江國 香織
この日常に不満はない、と瑠璃子は思う。淋しさは人間の抱える根元的なもので、自分一人で対処するべきで、誰かに―たとえ夫でも、救ってもらえる類のものではない。瑠璃子と二歳下の夫、総。一緒に眠って、一緒に起きる。どこかにでかけてもまた一緒に帰る家。そこには、甘く小さな嘘がある。夫(妻)だけを愛せたらいいのに―
きらきらひかる / 江國 香織
二人は全てを許し合って結婚した、筈だった……。妻はアル中、夫はホモ。セックスレスの奇妙な新婚夫婦を軸に描く、素敵な愛の物語。