日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

名曲とミステリ!音楽や音楽家が題材になったミステリ小説まとめ

クラシックやジャズ、Jポップなどの音楽が作中に登場する小説はたくさんある。

その中でも名曲や音楽家が重要な役割を握っているミステリを紹介したい。

ミステリだけではなく、ドビュッシーやラフマニノフといった有名な音楽家についての知識が学べるミステリだ。ぜひ音楽を聴きながら読んでほしい。

 

 

 

シューマンの指 / 奥泉 光

音大のピアノ科を目指していた私は、後輩の天才ピアニスト永嶺修人が語るシューマンの音楽に傾倒していく。浪人が決まった春休みの夜、高校の音楽室で修人が演奏する「幻想曲」を偶然耳にした直後、プールで女子高生が殺された。その後、指を切断したはずの修人が海外でピアノを弾いていたという噂が……。

奥泉光シューマンの指』は、ドイツ・ロマン派を代表する作曲家であるシューマンをテーマにした幻想的なミステリ小説だ。

ミステリとしては、高校を舞台にして起きた殺人事件の謎を中心に進んでいく。シューマンの音楽について語られており、著者の豊富な音楽知識に圧倒される。

 

 

さよなら、ドビュッシー / 中山 七里

祖父と従姉妹とともに火事に遭い、全身大火傷の大怪我を負いながらも、ピアニストになることを誓う遥。コンクール優勝を目指して猛レッスンに励むが、不吉な出来事が次々と起こり、ついに殺人事件まで発生する……。ドビュッシーの調べも美しい、第8回『このミス』大賞・大賞受賞作。

中山七里の『さよならドビュッシー』は、ピアノコンクールを題材に全身大やけどを負いながらもピアニストを目指す女子高生が主人公の小説だ。

この小説の題材になっている作曲家はドビュッシーだ。ドビュッシーの有名な曲といえば、亜麻色の髪の乙女などがある。

小説の内容とドビュッシーの名曲がリンクして、情景が思い浮かぶかのような小説だ。

 

 

おやすみラフマニノフ / 中山 七里

秋の演奏会を控え、第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに、プロへの切符をつかむために練習に励む。しかし完全密室で保管される、時価2億円のチェロ、ストラディバリウスが盗まれた。彼らの身にも不可解な事件が次々と起こり……。ラフマニノフの名曲とともに明かされる驚愕の真実!美しい音楽描写と緻密なトリックが奇跡的に融合した人気の音楽ミステリー。

中山七里の『おやすみラフマニノフ』は、ラフマニノフの名曲が題材になった密室ミステリだ。中山七里の『さよならドビュッシー』とはシリーズものになっている。

 

 

モーツァルトは子守唄を歌わない / 森 雅裕

『モーツァルトは子守唄を歌わない』は、知らない人はいない作曲家ベートーヴェンが主人公の異色のミステリ小説だ。

ベートーヴェンが探偵役となって、モーツァルトの死の真相を追うという物語になっている。