日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

ドキドキが止まらない?恋愛ミステリ小説を紹介

小説にはいろんなジャンルがある。

例を挙げてみると、ミステリやSF、ファンタジー、純文学、恋愛小説、歴史といったところか。中にはいくつものジャンルを横断した小説もある。

この記事では恋愛小説とミステリを組み合わせた恋愛ミステリ小説を紹介したい。

 

 

 

イニシエーション・ラブ / 乾 くるみ

話題沸騰の二度読みミステリー!  僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて……。バブルにわく1980年代後半の世相や流行を背景に、甘美でときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から2行目(絶対に先に読まないで! )で、本書は全く違った物語に変貌する。

恋愛ミステリといえば必ず名前が挙がるのが乾くるみの『イニシエーション・ラブ』だろう。最後から二行目までは普通の恋愛小説だが、最後から二行目で全く違う話になる恋愛ミステリだ。どんでん返しの名作としても有名だ

読み終わると、もう一回読み直して作中に散りばめられた伏線を確かめたくなる。最後の展開については男子と女子で感想が分かれそう...。

前田敦子主演で映画化もされている。映像化不可能だと思っていたから、映画化が発表された時は驚いたものだ...

 

 

セカンド・ラブ / 乾 くるみ

里谷正明は会社の先輩から誘われたスキー旅行で、内田春香と知り合う。交際を始めた2人は2月のある日、みなりのいい紳士に強引に呼び止められる。紳士は春香を新宿のパブで働く「美奈子」だと断じた。後日、店を訪れた正明は、春香にそっくりな女、美奈子と出会い驚愕する。はたして、美奈子の正体は春香なのか? ベストセラー『イニシエーション・ラブ』に続く「驚愕の恋愛ミステリー」第2弾!

乾くるみの恋愛ミステリは、『イニシエーション・ラブ』だけじゃない。『セカンド・ラブ』は、 『イニシエーションラブ』と同じく巧妙な仕掛けが張りめぐされた乾くるみの恋愛ミステリだ。

『イニシエーション・ラブ』とは少し種類が違うが、『セカンド・ラブ』にもどんでん返しが仕掛けられている。『イニシエーション・ラブ』は一気にどんでん返す小説だが、『セカンド・ラブ』の方はじわじわひっくり返す感じのどんでん返し小説だ。『イニシエーション・ラブ』と違って、オチの部分は賛否両論に分かれそうな印象。

 

 

パラレルワールド・ラブストーリー / 東野 圭吾

親友の恋人は、かつて自分が一目惚れした女性だった。嫉妬に苦しむ敦賀崇史。ところがある日の朝、目を覚ますと、彼女は自分の恋人として隣にいた。混乱する崇史。どちらが現実なのか? ――存在する二つの「世界」と、消えない二つの「記憶」。交わることのない世界の中で、恋と友情は翻弄されていく。

東野圭吾の『パラレルワールド・ラブストーリー』は、二つの世界に翻弄される主人公の恋と友情を描いた作品だ。幅広いミステリ作品を描いている東野圭吾だが、恋愛ミステリの名作を買いいている。

 

 

真夜中の五分前 / 本多 孝好

少し遅れた時計を好んで使った恋人が、六年前に死んだ。いま、小さな広告代理店に勤める僕の時間は、あの日からずっと五分ズレたままだ。そんな僕の前に突然現れた、一卵性双生児のかすみ。彼女が秘密の恋を打ち明けたとき、現実は思いもよらぬ世界へ僕を押しやった。洒落た語りも魅力的な、side-Aから始まる新感覚の恋愛小説。偶然の出会いが運命の環を廻し、愛の奇蹟を奏で出す。

本多孝好の『真夜中の五分前』は、恋人を失った主人公の喪失と再生をミステリ的な要素も絡めて描いた新感覚の小説だ。

恋人を交通事故で失った「僕」は一卵双生児のかすみに出会う。この出会いがきっかけで「僕」は新しい一歩を踏み出すことになるのだが、運命は「僕」を奇妙な世界に運び込んで行く。最後には驚愕のエンディングが待ち受けている。真夜中の5分前というタイトルが非常にオシャレだ。

 

 

完全恋愛 / 牧 薩次

第二次大戦末期の福島県の温泉地、東京からやってきた少年・本庄究は、同じく戦火を逃れてこの村に暮らしていた画家の娘・小仏朋音に強い恋心を抱く。やがて終戦となり、この地で駐留軍のアメリカ兵が殺されるという事件が起きる。しかし現場からは凶器が忽然と消えてしまう。昭和43年、福島の山村にあるはずのナイフが、時空を超え瞬時にして西表島にいる女性の胸に突き刺さる。昭和62年、東京にいるはずの犯人が福島にも現れる。3つの謎の事件を結ぶのは、画壇の巨匠である男の秘められた恋であった。<他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者にその存在さえ知られない恋は完全犯罪と呼ばれるべきか?>

牧薩次の『完全恋愛』は、究極の恋愛小説+本格ミステリの大作だ。2009年度「本格ミステリ大賞」受賞作、2009年「このミステリーがすごい!」第3位、2009年「本格ミステリ・ベスト10」第3位と名だたるミステリ賞を総なめしているのだ。

 

 

葉桜の季節に君を想うということ / 歌野 晶午

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして——。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本。

 

 

 

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