日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

ピース又吉の現代文学ブックガイド / 『第二図書係補佐』 又吉 直樹

 

ピース又吉といえば、芸人で初めて芥川賞を受賞した作家だ。又吉直樹が芥川賞を受賞した時はちょうど本屋で働いていたのだけれど、『火花』の売り上げは本当に凄かった。在庫がなくて入荷まちのこともしばしばあった。

『火花』以外にも、小説でいえば『劇場』とかが面白い。小説以外にも又吉直樹はエッセイを書いている。

僕が特に好きなのは『第二図書係補佐』だ。作家だけではなく、読書家としても知られている又吉直樹が小説を紹介したブックガイドのような本だ。本の紹介とその本にまつわる又吉のエッセイが書かれていて、そのエッセイがすこぶる面白いのだ。さすが、ピース又吉。

この紹介されている本のチョイスがまた渋いのだ。この当時に注目されていた現代文学が網羅されている。『あらゆる場所に花束が・・・』 中原昌也、『アラビアの夜の種族』 古川日出男、『四十日と四十夜のメルヘン』 青木淳吾、『袋小路の男』 絲山秋子、『パンク侍、斬られて候』 町田康、『わたしたちに許された特別な時間の終わり』 岡田利規などと分かる人には分かる選考だ。

また、村上春樹や吉本ばなな、高橋源一郎など、現代文学のベテランの作品も紹介されている。

現代文学を読み進めてみたいという人にはうってつけのブックガイドだ。

 

 

 

 

紹介されている本一覧

『尾崎放哉全句集』 村上護編

 

『昔日の客』 関口良雄

昔日の客

 

『夫婦善哉』 織田作之助


『杳子(『杳子・妻隠』より)』 古井由吉

 

『炎上する君』 西加奈子

炎上する君 (角川文庫)

炎上する君 (角川文庫)

  • 作者:西 加奈子
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
Amazon

 

『万延元年のフットボール』 大江健三郎


『赤目四十八瀧心中未遂』 車谷長吉

 

『サッカーという名の神様』 近藤篤

 

『何もかも憂鬱な夜に』 中村文則

 

『世界音痴』 穂村弘



『エロ事師たち』 野坂昭如
『親友交歓(『ヴィヨンの妻』より)』 太宰治
『月の砂漠をさばさばと』 北村薫  おーなり由子(絵)
『高円寺純情商店街』 ねじめ正一
『巷説百物語』 京極夏彦
『告白』 町田康
『江戸川乱歩傑作選』 江戸川乱歩
『螢川・泥の河』 宮本輝
『中陰の花』 玄侑宗久
『香水  ある人殺しの物語』 パトリック・ジュースキント


『イニシエーション・ラブ』 乾くるみ



『山月記(『李陵・山月記』より)』 中島敦



『コインロッカー・ベイビーズ』 村上龍

 


『銃』 中村文則


『あらゆる場所に花束が・・・』 中原昌也

 


『人間コク宝』 吉田豪

 

『アラビアの夜の種族』 古川日出男

 


『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』 村上春樹
『銀河鉄道の夜』 宮沢賢治
『逃亡くそたわけ』 絲山秋子


『四十日と四十夜のメルヘン』 青木淳吾


『人間失格』 太宰治
『異邦の騎士(改訂完全版)』 島田荘司
『リンダリンダラバーソール いかす!バンドブーム天国』 大槻ケンジ
『変身』 フランツ・カフカ
『笙野頼子三冠小説』 笙野頼子
『ジョン・レノン対火星人』 高橋源一郎
『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦
『袋小路の男』 絲山秋子
『パンク侍、斬られて候』 町田康
『異邦人』 カミュ
『深い河』 遠藤周作
『キッチン』 吉本ばなな


『わたしたちに許された特別な時間の終わり』 岡田利規

 


『友達(『友達・棒になった男』より)』 安部公房
『渋谷ルシファー』 花村萬月
『宇田川心中』 小林恭二