日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

華やかなセレブの裏側は? / 『セレブリティ』 ウディ・アレン

www.youtube.com

作家志望の芸能記者リーは、なんとかセレブリティの仲間入りをしようと、女優、モデル、人気俳優に近づくが、ことごとく振り回される。その彼と離婚した元妻ロビンは、自分の生きかたをマイペースで貫き、いつのまにかセレブリティの仲間入りを果たす。

『セレブリティ』は、有名人の人間模様を皮肉たっぷりに描いたウディ・アレンのコメディ映画だ。モノクロがお洒落感を醸し出している。映画のポスターを見た感じ、主演がレオナルド・ディカプリオだと思っていたがそうではなかった。ディカプリオが実際に出ているのは20分ぐらいだろうか。まあ、ディカプリオの知名度を押し出して売り出そうとしたのだろう。こういった売り方はあんまり良くないんじゃないかな…って思う。主人公はケネス・ブラナーが演じていて、ウディそっくりの落ち着きのない早口の演技が様になっている。

 

 

華やかな生活に憧れた男と自分の生き方を貫いた女

作家志望の芸能記者リーは、ありきたりな生活に甘んじることを良しとせずロビンとの別れを切り出す。リーは良く言う35歳問題に突き当たったのだろう。そして中年デビューというのだろうか、なんとか「セレブリティ」の仲間入りをしようと、女優、モデル、人気俳優に近づく。しかし、ことごとく振り回され仲間入りすることは叶わない。

この近づいた人気俳優を演じているのがディカプリオだ。このワガママなアイドルスターは周りを振り回し、若さゆえの乱暴さを見せる。下半身も奔放で、複数人でしようとしたりする。こういったようにこの「セレブリティ」は有名人の裏側を皮肉たっぷりに描いている。

リーは小説家となり名を上げようとするが、頑張って作り上げた原稿は元カノのボニーによって処分されるという散々な目にあう。ただリーは自己中心的だったので自業自得といったところか。

リーに対し、その彼と離婚した元妻ロビンは、最初落ち込んだ生活を送っていた。ひょんなことからトニーと出会いテレビの制作に関わるようになる。そして、自分の生きかたをマイペースに貫いた結果、いつのまにかセレブリティの仲間入りを果たす。

 

セレブリティに憧れたリーが何者にもなれず、自分のなりの生き方を模索したロビンが「セレブリティ」になり成功を手にするというのはなんとも皮肉な結末だ。ウディ・アレンらしい皮肉の効いた結末といったところか。ちなみにこの映画には若かりし頃のドナルド・トランプが登場している。気になるひとはチェックしてみて。

 

セレブリティ(字幕版)

セレブリティ(字幕版)

  • ケネス・ブラナー
Amazon