皆さんは18歳に戻りたいだろうか?
僕としては、戻りたい気もするし、戻りたくない気もする。今の記憶を持って戻ったら、未熟な18歳の僕でももっとマシな立ち回りができたんだろうなと思う。
村上春樹の短編「32歳のデイトリッパー」では、18歳に戻りたいか?という質問が出てくる。
どんな短編小説かというと、32歳の「僕」と18歳のガールフレンドの話だ。「僕」は既婚者だし、ガールフレンドには複数のボーイフレンドがいる。やれやれ。
32歳と18歳という組み合わせがなんとも言えないリアリティを醸し出している。
これが17歳のガールフレンドだったら間違いなく捕まるし、男性の方も35歳ぐらいになってくると間違いなく厳しい目を向けられると思う。
男性には年下の若い女の子と付き合いたいという根源的な欲望があると思うけど、「32歳のデイトリッパー」では、まだ許されそうな年齢幅のギリギリを攻めているように思う。
タイトルの「32歳のデイトリッパー」のデイトリッパーはビートルズの名曲「デイトリッパー」からきている。村上春樹の小説って、ビートルズの曲のタイトルがそのまま小説のタイトルになるのが多いなと思う。
栞の一行
僕は三十二で彼女は十八で……、と考えると、どうしてもうんざりしてしまう。
僕はまだ三十二で、彼女はもう十八…これでいいのだ。
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