日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

佐世保に行ったので佐藤正午の聖地を巡礼してみた

最近というわけではないのだが、長崎旅行してきた。

 

メインは大浦天主堂やハウステンボスだったのだが、せっかく長崎に行くので敬愛する作家・佐藤正午の聖地巡礼をしたいということで、佐世保に行ってきた。

 

知らない人のために説明しておくと、佐藤正午は『永遠の1/2』や『鳩の撃退法』、『月の満ち欠け』などの作品で知られる作家だ。文体や小説の構成が素晴らしく、唯一無二の小説を書いている。特に『鳩の撃退法』は、メタフィクション的な仕掛けがある大傑作で是非多くの人に読んでもらいたいと思う。『月の満ち欠け』で直木賞を受賞し、映画化もされたので知っている人も多いのではと思う。大学生の時にハマって以来、佐藤正午作品は全て読んできた。

 

佐世保と佐藤正午にどのような関係があるかというと、佐世保は佐藤正午の出身地であり佐藤正午作品には佐世保を舞台にしたものが多くある。直木賞受賞時のインタビューでは、贈呈式には出ますかという質問に佐世保で誕生日のお祝いをしてるかもしれないと言って会場を沸かせていた。冗談かと思いきや、本当に授賞式には来なかったのだが。

 

そんなこともあって「ダ・ヴィンチ 2018年2月号」で佐藤正午特集が組まれた時には、「佐世保から出ない直木賞作家」というキャッチコピーをつけられていた。

 

その「ダ・ヴィンチ 2018年2月号」に佐世保にある行きつけの喫茶店が紹介されていた。これが今回聖地巡礼してきた「くにまつ」という喫茶店である。

tabelog.com

 

f:id:plutocharon:20250115001614j:image

商店街付近のところにある喫茶店だ。来店した時の雰囲気だと、地域に根ざした感じの喫茶店の印象だった。マスターが気さくな方で色々と話しかけてくれた。佐藤正午のファンで来ましたというと、同じように来店する佐藤正午ファンが多いとのこと。店内には佐藤正午が直木賞を取った時のポスターも貼ってあった。佐藤正午がいつも座っている席とかも教えてもらったりと楽しい聖地巡礼であった。コーヒーも美味しかったのでぜひ佐藤正午ファンの方は佐世保に行って、「くにまつ」に行ってみて下さい!

 

f:id:plutocharon:20250115001641j:image

 

帰りは佐世保市内にある本屋に立ち寄ってみた。ちょうどその時は佐藤正午の新刊『冬に子供が生まれる』の発売前だったので、予約受付中の広告が。さすが、佐藤正午の地元の本屋である。せっかくなので、持ってはいるものの記念に佐藤正午の文庫本を買って帰った。サイン会とかあれば行きたかったな。