日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

『世界でいちばん透きとおった物語2』が出版される件について

皆さんは本は紙で読む派だろうか?それとも電子書籍派だろうか?

自分は紙で読む派なのだが、最近では電子書籍派の人もかなり増えてきているんじゃないだろうかと思う。どっちでもいいんじゃないと思う人が多そうだが、中には「電子書籍化絶対不可能」と言われる小説がある。

 

「電子書籍化絶対不可能」「紙の本でしかできない体験」と話題になったミステリが『世界でいちばん透きとおった物語』だ。

 

「電子書籍化絶対不可能」という口コミが広がりメディアでも話題を集め、2023年のベストセラーになったミステリ小説だ。実際に紙の本でしか味わえない仕掛けが施されており、電子版は発売されていない。読んだ人なら分かると思うのだが、この本を電子書籍化するのは不可能だ。

 

そんな『世界でいちばん透きとおった物語』だが、どうやら続編が出るみたいだ。タイトルは、その名の通り『世界でいちばん透きとおった物語2』だ。どうやら今回は主人公はそのままに「ある小説」の遺稿に秘められた想いを解き明かす物語のようだ。

この記事では、発売前の『世界でいちばん透きとおった物語2』についてあれこれ考えてみたいと思う。

 

 

話題になった『世界でいちばん透きとおった物語』とは?

世界でいちばん透きとおった物語』は、杉井光による長編ミステリ小説で、2023年5月に新潮文庫nexから刊行された。

この作品は、特に「電子書籍化絶対不可能」や「ネタバレ厳禁」といった触れ込みで注目を集め、発売から50万部を超える売上を記録した大ベストセラー作品だ。

「電子書籍化絶対不可能」という触れ込みに間違いはなく、紙の本でしか味わえない感動がこの本にはある。原理的にこの仕掛けを電子書籍化することは不可能である。

あらすじを簡単に書いてみよう。大御所ミステリ作家の宮内彰吾は、妻帯者ながら多くの女性と交際し、そのうちの一人と子供までつくっていた。その隠し子が主人公である「僕」だ。「僕」は、宮内が死ぬ間際に書いていたとされる『世界でいちばん透きとおった物語』という遺稿探しを探すことになる。この本の仕掛けに気付いた時、作者が仕掛けた緻密なトリックに驚き、感嘆すること間違いなし。よくこのアイデアを実現させたなというのが初めて読んだ時の感想だ。紙の本への愛情や可能性を感じた一冊である。ぜひ、紙媒体で読んで驚きの体験を味わってみてほしい。
 

 

続編の『世界でいちばん透きとおった物語2』はどんな小説?

そんな話題作の『世界でいちばん透きとおった物語』の続編が出るのだから気にならないわけがない。

『世界でいちばん透きとおった物語2』のあらすじだが、新人作家の藤阪燈真の元に奇妙な依頼が舞い込むところから話が始まる。コンビ作家・翠川双輔のプロット担当が死去したため、ミステリ専門雑誌『アメジスト』で連載中の未完の作品『殺導線の少女』の解決編を探ってほしいというものだ。本作でも、霧子&燈真のコンビは健在のようだ。

プレスリリースを読んでいると、この作品は安楽椅子探偵もので、作家ものならではの虚実入り乱れるプロットになっているようだ。また、『世界でいちばん透きとおった物語』はシリーズ化するとのことなので、今後の動向も気になるところ。

 

紙の本ならではの仕掛けはあるのか?

もう一つ気になる点があるとすれば、『世界でいちばん透きとおった物語2』にも「紙の本でしかできない仕掛け」があるのかどうかだ。この点に関して、次回作では「紙の本でしかできない体験」はおそらくないのではないかと考える。

「紙の本でしかできない体験」がないと考える理由としては、Amazonの予約ページにある。

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『世界でいちばん透きとおった物語』には電子書籍版の販売はないのだが、『世界でいちばん透きとおった物語2』では電子書籍版の販売もあるようだ。

このように電子書籍版の販売もあるようなので『世界でいちばん透きとおった物語2』では「紙の本でしかできない仕掛け」はないと思っている。

 

 

2025年1月29日に発売予定

『世界でいちばん透きとおった物語2』だが、2025年1月29日に新潮文庫nexから発売予定とのこと。まだ先だが、どんな謎や仕掛けが込められたミステリか気になるところだ。

 

 

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