日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

新しい定番になるか?教科書に載っている村上春樹作品のまとめ

中高生の国語の授業で扱う小説といえば、中島敦の『山月記』や芥川龍之介の『羅生門』、夏目漱石の『こころ』があるだろう。

国語の教科書に載っている小説って昔の作家が多い印象だが、そうでもない。現代日本を代表する村上春樹の小説も新しい定番として国語の教科書に登場しつつある。

僕が高校生の時も、国語の授業で村上春樹の「カンガルー日和」を扱ったのが印象に残っている。今回は、国語の教科書に採用されている村上春樹の小説をまとめてみた。

 

 

青が消える

「青が消える」という短編は、タイトル通り「青」が世界から消えていく話だ。青とオレンジのストライプのシャツから、青い海から、青色が消えていく。

この「青が消える」という短編だが、文庫本には収録されておらず、全集にしか収録されていない。なので教科書以外では読むのが少し難しい小説だ。

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 「」という小説は、『カンガルー日和』という短編集に収録されている10ページほどの短い短編だ。『カンガルー日和』に収録されている小説は短編とショートショートの中間ぐらいの分量なので、ちょうど良いのか教科書によく採用されている。「鏡」という短編は、来客が怖い話を語り合う会で、主催者が最後に自分の話を語るという体裁になっている。

主人公が語る「鏡」についての話は、こんな内容だ。語り手の「僕」は高校を卒業したあと肉体労働をしながら放浪生活を送っていた。その事件は中学校に夜警の仕事をしていた時に起こった。その日の夜、「僕」はいつもはない違和感を覚える。夜3時の見回りをした時に、「僕」は暗闇の中で何かの姿を見かける。それは鏡の中の「僕」だった。

しかし、鏡の中の「僕」は単なる鏡像ではなく、「僕」とは異なるものだった。そう、鏡の中の僕は僕ではなかったのだ。「僕」は恐怖に駆られ、鏡を割って逃げてしまう。しかし、そんな鏡は中学校にはなかった。その影響で「僕」の家には鏡が置かれていないという。

鏡に映ったのは何かと言う点で授業が展開されそう。

 

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カンガルー日和 

同じく短編集『カンガルー日和』から表題作「カンガルー日和」。この短編は、僕が高校生に授業で扱ったので、とても印象に残っている短編だ。恋人以上夫婦未満のような微妙な距離感の男女が動物園にカンガルーを見に行くと言う話だ。僕が高校生だった時は、二人の関係性がどうなのかとか、村上春樹独特の表現について理解を深めるみたいな内容を扱っていた。遠い過去の記憶だが。

 

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とんがり焼の盛衰

とんがり焼と言う謎の食べ物が題材の小説。とにかく、「とんがり焼」が何を意味するかよく分からず、不思議な内容だ。村上春樹本人のコメントを元に読み解くと、村上春樹の文壇批評として解釈することができる。下の記事で詳しく説明しているので、気になる人はぜひ読んでみて下さい。

 

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バースディ・ガール 

 『バースデイ・ガール』は特別な誕生日に起こった不思議な出来事を描いている。この短編はもともと『バースディ・ストーリーズ』という誕生日に関する小説を村上春樹自身が集めたアンソロジーに収録されたものだ。

『バースディ・ガール』で描かれているのは、ある女性の二十歳の誕生日に起こった特別な出来事だ。主人公の女性は、ひょんなことでこの特別な誕生日にレストランで働くことになる。最初、主人公はシフトを入れていなかったが、同僚が寝込んでしまい、誕生日に働くことになる。

客足はあんまりなかったけれど、マネージャーが突然の腹痛で病院に運びこまれるというトラブルが発生する。主人公はマネージャーから一つお願い事を託される。それは、レストランが入っているビルに住むオーナーに晩御飯を届けるというものだ。簡単な仕事に思えるが、この出来事が彼女の誕生日を特別なものに変える。

 

 

レキシントンの幽霊

 

 

他にも教科書に載っていた村上春樹作品があればコメント欄などで教えてください!

 

 

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