日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

人生は何でもあり! / 『人生万歳』 ウディ・アレン


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人生はなんでもありだなと思わせてくれる映画がある。それがウディ・アレンの『人生万歳!』という映画だ。比較的最近のウディアレンの映画で、知名度はあまりないかもしれない。どちらかというと秀作の部類に入るのではないか。

ウディアレンの映画らしく、ちょっとひねくれたアレン節が炸裂したドタバタコメディになっている。肩の力を抜いて楽しめる映画だ。いつも通り人生への諦念に満ちてはいるけど、吹っ切れた感じもあり人生を肯定してくれるような映画だ。

 

 

 

主人公は偏屈な物理学者ボリス。かつてはノーベル賞物理学賞の候補になっていたが、今は落ちぶれている。そんなボリスはひょんなことから、家出してきたメロディと一緒に暮らすことになる。二人のドタバタした共同生活が始まる。ボリスのマシンガントークが凄く面白い。ボリスとメロディの掛け合いもジョークに満ちていて、笑い転げてしまった。このウディアレンのウィットに飛んだ会話がやっぱり好きだ。

 

ウディ・アレン映画らしく、ボリスが観客に話しかけてきたりメタフィクション的な演出がある。登場人物の中でボリスだけが観客の存在に気づいているのだ。

ボリスが観客に語り掛ける話が、この映画の内容を象徴している。今までのウディ・アレン監督の映画は人生への諦念に満ちているけど、この『人生万歳』では人生の諦念を踏まえて、それでも何か吹っ切れたように人生を肯定していく。 これまでの価値観と違うことも厭わず、どんどん変化し、その変化を謳歌する。ネガティブだけどポジティブな映画だ。

最初は偏屈で自殺未遂も起こしたボリスも、メロディと出会い人生を肯定してくようになる。最近のウディ・アレン映画の中ではかなり好きだ。

 

どこまでも自由

なんでもありなドタバタコメディ。ボリスといい、他の登場人物といい、自分の考えに固執せず、どんどん考え方を変えて、人生を肯定していく。自分から型にはまる必要はない、なんでもありな人生なんだから。そんなことを教えてくれる映画だった。まさにwhatever works!

 

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