日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

さよなら、ジャン=リュック・ゴダール

昨日の夕方、衝撃的なニュースが入ってきた。 www.nikkei.com あのゴダールが死んだ。それはもう衝撃だった。 医師処方の薬物を自ら使用する「自殺ほう助」により亡くなったそうだ。スイスでは安楽死が認められている。お疲れ様と伝えたい。 ゴダールの映画…

人生にゴールはあるのか? / 「ゴール」 三崎 亜記

三崎亜記の「ゴール」は人生の意味や到達点について考えさせられるショートショートだ。 日常に非日常が溶け込んだような作品で世にも奇妙な物語のテイストのような小説だ。ちょっと不思議で、三崎亜記らしい作品だと思う。 この「ゴール」だが、高校の国語…

個人的に面白かった新書を10冊紹介してみる

今回は個人的に面白かった新書を10冊ほどピックアップして紹介したいと思う。 新書は幅広いジャンルの知識を養うのにとても役立つ。専門家と言うよりかは一般向けに書かれているものが多いので、初心者にも優しい。幅広く読んでみて自分の興味があるのもが見…

天災に真っ向から向き合ったロードムービー / 『すずめの戸締まり』 新海 誠

www.youtube.com 今年の11月11日に新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』が公開される。 水溜りの上にある扉の印象的なビジュアル、観るものを圧倒する華麗な情景描写。予告を観ただけでも期待が高まる。 音楽は、『君の名は。』と『天気の子』に引き続きR…

喪失からの再生と人生の肯定 / 「ドライブ・マイ・カー」 村上 春樹

村上春樹の短編集『女のいない男たち』に収録された「ドライブ・マイ・カー」は、主人公が亡くなった妻の秘密や自分が負ってきた心の傷に向き合う小説だ。濱口竜介監督によって映画化もされ、アカデミー賞国際長編映画賞を受賞するという快挙も成し遂げてい…