日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

さよなら、ジャン=リュック・ゴダール

昨日の夕方、衝撃的なニュースが入ってきた。

 

www.nikkei.com

 

あのゴダールが死んだ。それはもう衝撃だった。

医師処方の薬物を自ら使用する「自殺ほう助」により亡くなったそうだ。スイスでは安楽死が認められている。お疲れ様と伝えたい。

 

ゴダールの映画は僕の大学生時代を彩ってくれた。『小さな兵隊』に『勝手にしゃがれ』、『アルファヴィル』、『気狂いピエロ』と浴びるようにゴダール作品を観た。いまいち理解できない作品も多かったけれど、その当時の僕にとってゴダールの映画を見ることは文化的背伸びだった。ゴダール映画を見ることは大学時代の僕にとって憧れでもあったのだ。

 

ジャン=リュック・ゴダールは、新しい表現技法を追求したフランス映画の潮流・ヌーヴェルヴァーグの巨匠だ。ジャンプカットや手持ちカメラ、書物から引用、原色を多用した色彩感覚はとても斬新だった。

ヌーヴェルヴァーグの中心人物だったフランソワ・トリュフォーやジャック・ドゥミ、アニエス・ヴァルダたちはもうすでにこの世を去っている。ヌーヴェルヴァーグの最後の巨匠のゴダールもついにその時がきてしまったのだ。

 

ゴダールは、「小さな兵隊」や「勝手にしやがれ」、「女は女である」、「アルファヴィル」、「女と男のいる舗道」、「中国女」、「軽蔑」など話題作を次々に発表した。初めてゴダールを見た時は表現方法の斬新さに心を奪われた。

 

 

勝手にしやがれ [DVD]

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  • ジャン=ポール・ベルモンド
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「勝手にしやがれ」を見てからは、TSUTAYAに足繁く通ってゴダール映画を観たものだ。近くのTSUTAYAにはゴダール作品があまり置いてなかったので、梅田や天王寺といった大阪の中心部までわざわざ出向いて借りに行ったほどだ。

 

 

気狂いピエロ

気狂いピエロ

  • アンナ・カリーナ
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特に「気狂いピエロ」はゴダールのミューズであるアンナ・カリーナの魅力もあって、特に名作だと言われている。僕も「気狂いピエロ」がとても好きだ。

 

 

アルファヴィル

アルファヴィル

  • エディ・コンスタンティーヌ
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パリの街を未来都市に見立てた「アルファヴィル」も好きなゴダール作品だ。作中の静謐な雰囲気と詩的なセリフがとても好きだ。

 

一時期ゴダールは、商業映画と決別するのだが、後に商業映画に復帰した。

 

イメージの本(字幕版)

イメージの本(字幕版)

  • ジャン=リュック・ゴダール
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近年では様々な書物や音楽・映画をコラージュした「イメージの本」が公開され話題になっていた。もう一作ぐらい観れると思っていたんだけどな。

 

心からご冥福をお祈りいたします。