日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

砂川 文次

先見性がありすぎる!元自衛隊の異色作家・砂川文次の小説を紹介!

砂川文次という作家をご存知だろうか? 「市街戦」でデビューした、元自衛官という異色の経歴を持つ作家だ。元自衛官とあってか、戦争や自衛隊、軍隊をモチーフにしたミリタリー小説が多く、リアリティある描写が魅力だ。文章の緻密さがすごく、戦争の場面で…

新型感染症と組織の不条理 / 『臆病な都市』 砂川 文次

新型コロナウイルスが流行し、注目された小説がいくつかある。カミュの『ペスト』が代表的な小説だ。しかし、『ペスト』以外にも感染症を題材にして、話題になった小説がある。それが砂川文次の『臆病な都市』だ。端的に言って、この小説は傑作だと思う。『…

組織の不条理と戦争 /『小隊』 砂川 文次

芥川賞候補作の砂川文次「小隊」は組織の不条理を描いた戦争小説だ。「小隊」は、北海道にロシア軍が上陸し、日本の自衛隊と衝突するという架空の戦争を描いている。 まず著者が自衛隊出身ということもあってか、小説のリアリティに圧倒された。専門用語が頻…