日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

2022-08-13から1日間の記事一覧

濃密に漂う死の匂い / 「ニューヨーク炭鉱の悲劇」 村上 春樹

村上春樹の「ニューヨーク炭鉱の悲劇」は、濃密な死の匂いが立ち込める小説だ。 話の意味するところや、構成の意図するところが分からなくても、作中に漂う「死の匂い」を感じ取った人は多いんじゃないかなと思う。この小説では、主人公の周りで多くの人が死…