鮮やかな伏線回収、魅力的なキャラクター、ウィットに富んだ文章で人気を集めているのが伊坂幸太郎だ。
巧みすぎる伏線回収には毎回驚かせられる。時系列がバラバラであったりと小説の構成が凝っていて、どんでん返しなどが仕掛けられたミステリ小説が多い。
伊坂幸太郎の魅力のひとつが、ウィットに富んだ文体だ。登場人物たちのウィットに富んだセリフが伏線にもなっていて、伊坂幸太郎おそるべしとしか言いようがない。特に「陽気なギャング」シリーズは伊坂作品の中でも会話のユーモアが多くてオススメだ。登場人物たちの洒脱でユーモアに溢れた会話が心地よすぎて、何度も読んでしまう。
そんな伊坂幸太郎の人気シリーズの一つといえば陽気なギャングシリーズだ。この記事では陽気なギャングシリーズの詳細と読む順番について紹介したい。
伊坂幸太郎の「陽気なギャングシリーズ」とは?
伊坂幸太郎の「陽気なギャングシリーズ」は、それぞれ特技を持つ4人組の銀行強盗が活躍する物語である。人間の嘘を見抜く名人・成瀬、演説の達人・響野、天才的なスリの腕を持つ久遠、そして驚異的に正確な体内時計を持つ女・雪子の個性豊かな登場人物たちが銀行強盗に挑む姿はオーシャンズ11に近いものがある。
「陽気なギャングシリーズ」の読む順番は?
陽気なギャングシリーズの読む順番は刊行順が良い。刊行順は①陽気なギャングが地球を回す、②陽気なギャングの日常と襲撃、③陽気なギャングは三つ数えろ の順番だ。
①陽気なギャングが地球を回す
人間嘘発見器+演説名人+天才スリ+精確無比な体内時計=4人は史上最強の銀行強盗…のはずが、思わぬ誤算が。奪われた「売上」を取り戻せ!伊坂幸太郎ブームはここから始まった。
『陽気なギャングが地球を回す』は、個性的なキャラクターたちの軽妙な会話と、巧妙に張り巡らされた伏線、そしてそれらが鮮やかに回収される展開が魅力のシリーズ第1作だ。伊坂幸太郎ブームの火付け役とも言われる作品である。人間の嘘を見抜く名人・成瀬、演説の達人・響野、天才的なスリの腕を持つ久遠、そして驚異的に正確な体内時計を持つ女・雪子。偶然出会った4人は、それぞれの能力を活かして銀行強盗を企てる。しかし、ある日、せっかく奪った売上金を別の強盗に横取りされてしまう。4人は奪われた金を取り戻すべく奔走するが、事態は思わぬ方向へ展開していく。
②陽気なギャングの日常と襲撃
伊坂幸太郎ブームに火を点けた“史上最強の天才強盗”、あの4人組が帰って来た!嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の女」探し、精確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリは殴打される中年男に遭遇――4つの奇妙な事件と、華麗な銀行襲撃の裏に、さらなる謎が連鎖する…。
シリーズ第2作品目が『陽気なギャングの日常と襲撃』だ。4人それぞれの視点から描かれる日常の出来事が、やがて一つの大きな事件へと繋がっていく構成となっている。前作同様、キャラクターたちの魅力とテンポの良いストーリー展開が楽しめる。前作で銀行強盗として名を馳せた(?)4人組の日常と、彼らが巻き込まれる新たな事件を描く。嘘を見抜く成瀬は刃物男騒動に、演説の達人・響野は「幻の女」探しに、体内時計の雪子は謎の招待券の真相究明に、そしてスリの久遠は暴行される中年男の救出に、それぞれ関わることになる。これらの出来事と、彼らが計画する銀行襲撃の裏には、さらなる大きな謎が隠されていた。
③陽気なギャングは三つ数えろ
絶体絶命のカウントダウン、天才強盗4人組に強敵あらわる! 陽気なギャング一味の天才スリ・久遠は、消えたアイドル宝島沙耶を追う週刊誌記者・火尻を暴漢から救う。だが彼は、事件被害者のプライバシーをもネタにするハイエナ記者だった。正体を気づかれたギャングたちの身辺で、トラブルが頻発。強敵の連続攻撃で、人間嘘発見器・成瀬ら面々は断崖に追いつめられた。必死に火尻の急所を探る四人組は、やがて絶体絶命の窮地に!
シリーズ第3作の『陽気なギャングは三つ数えろ』では、シリーズ最凶とも言える敵の登場により、これまで以上にスリリングな展開が繰り広げられる。天才スリの久遠が、ひょんなことからゴシップ週刊誌の悪徳記者・火尻を助けてしまう。しかし、その火尻に自分たちの正体を知られてしまい、4人は脅迫されることに。当たり屋、痴漢冤罪など、次々と卑劣な罠を仕掛けてくる火尻に対し、成瀬たちは絶体絶命の窮地に立たされる。彼らはこの危機をどう乗り越えるのか。4人組の絆と、彼らが知恵を絞って困難に立ち向かう姿が描かれる。
まとめ
伊坂幸太郎の「陽気なギャングシリーズ」は、エンターテインメント性の高い設定と、魅力的なキャラクター造形、そして予測不能なストーリー展開で多くの読者を惹きつけてきた。刊行順に並べると、①陽気なギャングが地球を回す、②陽気なギャングの日常と襲撃、③陽気なギャングは三つ数えろ の順番である。