梅雨の季節になった。じめじめするのが嫌な季節だ。だけど、雨というのはなんだか風情がある。
雨が印象的な小説というと、村上春樹『ノルウェイの森』が思い浮かぶ。あの小説には、暗くて重い雨雲が垂れ込めて、しっとりとした雨が降り続いているみたいなイメージがある。あの作品自体が暗く重たい雨雲に覆われているような印象がある。
冒頭のシーンや直子とのシーンなど、印象的なシーンには雨が降っているような印象がある。
『ノルウェイの森』の最初のタイトル案は『雨の中の庭』だったらしい。「雨の中の庭」というタイトルはドビュッシーの楽曲から来ているそう。だから、『ノルウェイの森』の雨のシーンが印象的なのは必然なのか。
あと1つ雨が印象的な小説をあげると『言の葉の庭』だ。アニメ映画のノベライズだ。雨の中の新宿御苑はとても叙情的で美しい。雨の中の新宿御苑を歩いてみたい。
雨が印象的な絵画を考えてみるとルノワールの雨傘が思い浮かぶ。印象派の技法と写術的な技法が入り混じった作品だ。ルノワールは印象派とは異なる技法を追い求めてこの絵を描いたのだろうか。
日本の漫画では、雨は線で描いているけれど、これは日本だけの表現なのかな。