日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

庄司 薫

三四郎から連なる青春文学の系譜〜『三四郎』から『優しいサヨクのための嬉遊曲』まで〜

日本文学には、『三四郎』から続く青春文学の系譜があると思う。当時の時代背景を反映し、「知識人はこの時代をどう生きるべきか」という問いに悩む主人公が描かれた小説だ。それぞれの時代を反映してきた作品は、芥川賞を受賞したり、ベストセラーになった…

知性を守るための戦い / 『赤頭巾ちゃん気をつけて』 庄司 薫

優しさ世代のためのバイブル 学生運動の煽りを受け、東大入試が中止になるという災難に見舞われた日比谷高校三年の薫くん。そのうえ愛犬が死に、幼馴染の由美と絶交し、踏んだり蹴ったりの一日がスタートするが―。真の知性とは何か。戦後民主主義はどこまで…

学生運動を背景とした青春小説まとめ

学生運動を背景とした青春小説 学生運動は、昔の日本で盛んに行われていた社会現象だ。日米安保条約の反対闘争やベトナム戦争の反戦運動など、全国的に行われていた。東京大学の安田講堂事件など、有名な事件も多い。中には、過激派の内ゲバが発生して、死傷…