日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

2021-01-25から1日間の記事一覧

資本主義の勝ち組の憂鬱 / 『キャピタル』 加藤 秀行

『キャピタル』は、タイトルのCapital(資本)が暗示するように、グローバル資本主義の競争原理を色濃く反映した小説だ。この小説が描くのは、グローバル資本主義における勝ち組の憂鬱だ。勝ち組にも憂鬱はあるのだ。文学といえば弱者の視点で描くことが多く、…