日々の栞

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一番売れているのは?東野圭吾の売上・発行部数ランキング

東野圭吾は、ガリレオシリーズ加賀恭一郎シリーズでお馴染みの大人気ミステリー作家だ。知らない人は恐らくいないだろう。

東野圭吾は、ガリレオシリーズの『容疑者Xの献身』で直木賞を受賞している。『探偵ガリレオ』などガリレオシリーズは福山雅治主演でドラマ化され、かなり話題になった。他に有名な作品を列挙してみると『白夜行』とか『秘密』がある。映画化もよくされていて、『真夏の方程式』や『ラプラスの悪魔』が公開されている。

そんな大人気作家・東野圭吾だが、著作の国内累計発行部数が1億部を突破した。国内累計発行部数は2023年時点で1億77,380部である。

また、東野圭吾作品の人気は国内にとどまらず、海外でも幅広く翻訳されている。

現在は37の国と地域で出版中のようだ。その推定累計発行部数は約6800万部で、全世界の推定累計発行部数は1億6,800万部を超える。

そんな東野圭吾作品の売上・発行部数ランキングを作成してみた。

 

 

 

売上・発行部数の推定方法

けれども、基本的に本の発行部数は調べることは難しい。本の発行部数は機密情報みたいなもので、一般的には公表されないのだ。

ただ、最近東野圭吾の累計発行部数が1億部を超えたこともあり、その際の出版社のプレスリリースで発行部数が公開されていた。この記事では、プレスリリースやニュースなどで公表された部数を参考に売上・発行部数ランキングを作成した。

 

 

東野圭吾の売上・発行部数ランキング

 

第11位 眠りの森

美貌のバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか?完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語。

発行部数:約110万部(2023年時点、引用元:“新参者”加賀恭一郎「眠りの森」|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル - TBS)

眠りの森』は、バレリーナが題材のミステリ小説だ。『眠りの森』は、東野圭吾の大人気シリーズ・加賀恭一郎シリーズの作品である。

バレエ団のプリマが正当防衛でレッスン場に忍び込んだ男を殺害してしまったのが事件の発端。捜査に当った青年刑事は次第に美貌のバレリーナに魅かれていく。華やかな舞台の裏側にはどんなストーリーが広がるのか。

 

 

第10位 夢幻花

花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。遺体の第一発見者である孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、ブログにアップする。
それを見て身分を隠して近づいてきたのが、警察庁に勤務するエリート・蒲生要介。ふとしたことから、その弟で大学院生の蒼太と知り合いになった梨乃は、二人で事件の真相解明に乗り出す。一方、西荻窪署の刑事・早瀬も、別の思いを胸に事件を追っていた……。

発行部数:約110万部(2023年時点、引用元:東野圭吾、著作100冊。国内累計発行部数1億部突破! | NEWSCAST)

夢幻花』は、幻の「黄色いあさがお」を題材にしたミステリ小説だ。東野圭吾はこの作品で第26回柴田錬三郎賞を受賞している。宿命を背負った者たちの人間ドラマが交錯する点が魅力だ。

 

 

第9位 マスカレード・ホテル

都内で起きた不可解な連続殺人事件。残された暗号から判明したのは、次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということのみ。若き刑事・新田浩介は、ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。次から次へと怪しげな客たちが訪れる中、二人は真相に辿り着けるのか!?

発行部数:約116万部(2014年時点、文庫のみ、引用元:東野圭吾:「マスカレード・イブ」が1カ月半で100万部突破 - MANTANWEB(まんたんウェブ))

マスカレード・ホテル』はホテルが舞台となったミステリだ。木村拓哉主演で映画化もされている。

また、『マスカレード・ホテル』はシリーズ化されていて、『マスカレード・ナイト』や『マスカレード・イヴ』といった作品がある。シリーズ累計の発行部数は360万部を超えるようだ。

ちなみにモデルとなったホテルは存在していて、ロイヤルパークホテルが参考にされているようだ。

 

 

第8位 ラプラスの魔女

遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きた。検証に赴いた地球化学研究者・青江は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃する――。東野圭吾が小説の常識をくつがえして挑んだ、空想科学ミステリ!

発行部数:約150万部(2023年時点、文庫のみ、引用元:櫻井翔×広瀬すず×福士蒼汰が挑む、東野圭吾ミステリー史上最も異色かつ衝撃作『ラプラスの魔女』Blu-ray&DVD、11月14日発売 - TOWER RECORDS ONLINE)

ラプラスの魔女』は、超能力的な要素がある小説だ。賛否両論の内容で話題になった。

タイトルにある「ラプラスの魔女」は、フランス人数学者の「ピエール・シモン・ラプラス」が提唱した「ラプラスの悪魔」という仮説から来ている。その仮説の内容というのが、「この世に存在するすべての原子の現在位置と運動量を把握する知性が存在すれば未来を予測できる」というものだ。

このラプラスの悪魔のように未来を見ることができる人物が登場する空想科学ミステリだ。

櫻井翔や広瀬すずが主演で映画化もされている。

 

 

第7位 プラチナデータ

国民の遺伝子情報から犯人を特定するDNA捜査システム。警察庁特殊解析研究所・神楽龍平が操るこのシステムは、現場の 刑事を驚愕させるほどの正確さを持って次々と犯人を特定していく。検挙率が飛躍的に上がる中、新たな殺人事件が発生。殺されたのは、そのシステム開発者である天才数学者・蓼科早樹とその兄・耕作で、神楽の友人でもあった。彼らは、なぜ殺されたのか?現場に残された毛髪を解析した神楽は、特定された犯人データに打ちのめされることになる。犯人の名は、『神楽龍平』――。 追う者から追われる者へ。事件の鍵を握るのは『プラチナデータ』という謎の言葉。

発行部数:約150万部(2023年時点、文庫のみ、引用元:『白夜行』『秘密』『新参者』『プラチナデータ』。名作、ベストセラーだらけ、東野圭吾著作100冊。国内累計発行部数1億部突破!|株式会社 幻冬舎のプレスリリース

プラチナデータ』は、DNA操作システムを題材に容疑者を追う立場から追われる身になった天才数学者を描いた小説だ。

システムの開発者が犯人を追う側から追われる側になるなど、手に汗握る展開が魅力の作品だ。映画化もされている。

 

 

第6位 夜明けの街で

不倫する奴なんてバカだと思っていた。でもどうしようもない時もある――。建設会社に勤める渡部は、派遣社員の秋葉と不倫の恋に墜ちる。しかし、秋葉は誰にも明かせない事情を抱えていた……。

発行部数:約200万部(2023年時点)

夜明けの街で』は不倫を題材としたミステリ小説だ。東野圭吾では珍しく不倫を描いた小説になっている。深田恭子が主演で映画化もされている。

 

 

第5位 秘密

自動車部品メーカーで働く39歳の杉田平介は妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美と暮らしていた。長野の実家に行く妻と娘を乗せたスキーバスが崖から転落してしまう。 妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。

発行部数:約224万部(2023年時点、引用元:東野圭吾、著作100冊。国内累計発行部数1億部突破!|株式会社文藝春秋のプレスリリース)

秘密』は、死んだはずの妻の魂が娘の体に宿ってしまうという状況を描いた小説だ。主人公が男として夫として葛藤していくようすが丁寧に描かれている。

東野圭吾の代表作で、これまでに何回も映像化されている。

 

 

第4位 白夜行

1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々と浮かぶが、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と「容疑者」の娘・西本雪穂――暗い目をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別の道を歩んでいく。二人の周囲に見え隠れする、いくつもの恐るべき犯罪。だが、証拠は何もない。そして19年……。

発行部数:約250万部(2023年時点、引用元:東野圭吾さん著作、1億部突破 | ロイター

白夜行』は、東野圭吾の代表作とも言える作品だ。犯罪に関わった少年と少女の人生と犯罪を圧倒的な描写力で描いている。映画化もされた名作ミステリだ。

 

 

第3位 手紙

武島剛志と直貴は二人きりの兄弟だった。弟の大学進学のための金がほしくて、剛志は空き巣に入り、強盗殺人の罪を犯してしまう。服役中の剛志から直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く。

発行部数:約262万部(2023年時点、引用元:東野圭吾さん著作、1億部突破 | ロイター

東野圭吾の初期の代表作が『手紙』だ。加害者家族の視点で、家族の葛藤が描かれた作品である。これまでにドラマ化もされている。

 

 

第2位 容疑者Xの献身

運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。  天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘の美里と暮らす隣人の花岡靖子に秘かな想いを寄せていた。 ある日、靖子の前夫・富樫が母娘の居場所を突き止めて訪ねてきた。金を無心し、暴力をふるう富樫を、靖子と美里は殺してしまう。 呆然とする二人を救うために、石神は完全犯罪を企てる。 だが皮肉にも、石神と帝都大学の同期であり、親友である物理学者の湯川学がその謎に挑むことになる。 ガリレオシリーズ初の長編。第134回直木賞受賞作。

発行部数:約299万部(2023年時点、引用元:東野圭吾さん著作、1億部突破 | ロイター

東野圭吾の代表作がガリレオシリーズの『容疑者Xの献身』だ。東野圭吾はこの作品で直木賞を受賞している。

『容疑者Xの献身』で描かれるのは、物理学者・湯川と数学者・石神の戦いだ。石神は思いを寄せる花岡を助けるために、完全犯罪を企てる。読者と湯川はその完全犯罪に挑むことになるのだが、石神がどんなトリックを仕掛けたのかが全く分からない。

倒述形式のミステリになっていて、読者は石神がどんなトリックを仕掛けたのか考える事になる。このトリックが本当に凝っていて分からない。最後にこのトリックが明かされる時には、驚きと感動に襲われた。意外性抜群のトリックと、石神の選んだ決断に心震わされたのである。そしてトリックが分かった後、タイトルの『容疑者Xの献身』に唸らされるのである。

 

 

第1位 ナミヤ雑貨店の奇蹟

あらゆる悩み相談に乗る不思議な雑貨店。そこに集う、人生最大の岐路に立った人たち。過去と現在を超えて温かな手紙交換がはじまる……張り巡らされた伏線が奇跡のように繋がり合う、心ふるわす物語。

発行部数:約1500万部(2023年時点、引用元:東野圭吾、著作100冊。国内累計発行部数1億部突破!|株式会社KADOKAWAのプレスリリース

東野圭吾作品で一番売れているのが、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』だ。全世界で約1500万部も売り上げているようだ。東野作品史上もっとも泣けると言われている感動ミステリーである。
過去と未来が手紙でつながる不思議な雑貨店が舞台で、人生の帰路に立った人たちの人間ドラマが描かれる。非常に感動する東野圭吾作品だ。


 

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