日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

あなたも騙される!東野圭吾のどんでん返しミステリ6選!

東野圭吾は、大人気のミステリ作家だ。

ガリレオシリーズの『容疑者Xの献身』で直木賞を受賞し、『白夜行』など有名作品を次々に送り出してきた東野圭吾。ガリレオシリーズや加賀シリーズなど人気が高いシリーズも多い。これまでに数多く作品を執筆しており、その数は100作品を超えている。

東野圭吾の作品は映画化もよくされている。特にガリレオシリーズはTVドラマ・映画化されていて、みた人も多いんじゃないだろうか。

この記事では、東野圭吾作品の中でも特にどんでん返しがすごい作品を紹介したい。

 

 

仮面山荘殺人事件

八人の男女が集まる山荘に、逃亡中の銀行強盗が侵入した。外部との連絡を断たれた八人は脱出を試みるが、ことごとく失敗に終わる。恐怖と緊張が高まる中、ついに一人が殺される。だが状況から考えて、犯人は強盗たちではありえなかった。七人の男女は互いに疑心暗鬼にかられ、パニックに陥っていった…。

東野圭吾のどんでん返しの名作として有名なのは『仮面山荘殺人事件』だろう。どんでん返しにこだわった、クローズドサークルもののミステリだ。どんでん返し好きな人だと読んだことあるんじゃないだろうか。このミステリの魅力は、作品に仕掛けられたどんでん返しにある。

どんでん返しだけではなく、仮面山荘の面白いところはクローズドサークル(閉ざされた空間での殺人)が生まれる状況にこだわっているところだ。この作品では、より必然的にクローズドサークルが生じるように工夫している。吹雪で閉じ込められたり、孤島に閉じ込められるというのはミステリによくあるクローズドサークルのお約束だ。だが、パターンが決まっているし設定に穴が多いのもあるしご都合主義に思えてしまうこともある。都合よく吹雪起こりすぎじゃねとか、頑張ったら逃げれるんじゃない?とかツッコむところが多いものも事実だ。まあ、クローズドサークルはミステリー好きには堪らない設定だけど。

この『仮面山荘殺人事件』では古典的なミステリーの設定をそのまま使うのではなく、八人の男女が集まる山荘に逃亡中の銀行強盗が侵入したために外に出られなくなったという斬新な理由でクローズドサークルになる。いつものお約束状況にツッコミたい人でも満足いただけるだろう。

 

 

ある閉ざされた雪の山荘で

早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した男女7名。これから舞台稽古が始まる。豪雪に襲われ孤立した山荘での殺人劇だ。だが、1人また1人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれた。はたしてこれは本当に芝居なのか?驚愕の終幕が読者を待っている!

東野圭吾のどんでん返しといえば『ある閉ざされた雪の山荘で』も有名だろう。『仮面山荘殺人事件』と並んで、東野圭吾のどんでん返しの名作と言われている。

この作品は、仮想の雪の山荘でのクローズドサークルという異色の設定が使われたミステリー。仮想というのは、実際に雪が降っているわけではなく、舞台稽古として雪が降っているという設定を登場人物を受け入れているのだ。どんどん仲間が消えていくのだが、実際に殺人が起きているのか、それとも芝居なのか分からないという斬新なクローズドサークルになっている。余談だが、この作品で使用されているトリックはとある前衛文学に使われていたりする。

 

 

回廊亭殺人事件

一ケ原高顕が亡くなった。妻子のない高顕の莫大な遺産を巡り、一族が「回廊亭」に集まった。「回廊亭」は、半年前に心中事件が起こり火事が発生したいわくつきの旅館だ。誰もが高顕の遺産を狙うなか、そこには相続関係にない菊代という老婆の姿が。彼女の目的は、心中事件の真相を明らかにすること、そして――真犯人を殺すことだった。
事件に隠された衝撃の事実とは

回廊亭殺人事件』は東野圭吾の作品の中でもマイナーな部類に入るかもしれないが、どんでん返しが仕掛けられたミステリだ。莫大な遺産を巡って殺人事件が起こる。この作品も東野圭吾の初期作品で、本格ミステリのテイストの小説だ。

 

 

白馬山荘殺人事件

「マリア様が、家に帰るのはいつか?」謎のメッセージを残して兄は自殺した。妹のナオコは友人のマコトと信州白馬の『まざあ・ぐうす』を訪れ、兄の死の真相を探ることに。英国風のペンションに集う、事件に居合わせた人びと―。彼らは何を求めてここに集まるのか?兄はなぜ死んだのか?密室トリックの謎とマザー・グースの暗号を解け!東野圭吾初期の傑作長編!

東野圭吾の初期作品は今の作風と違って本格ミステリのものが多かった。『白馬山荘殺人事件』は東野圭吾で、密室トリックやマザー・グースの暗号など本格ミステリのギミックが数多く詰め込まれた作品だ。

 

 

十字屋敷のピエロ

ぼくはピエロの人形だ。人形だから動けない。しゃべることもできない。殺人者は安心してぼくの前で凶行を繰り返す。もし、そのぼくが読者のあなたにだけ、目撃したことを語れるならば…しかもドンデン返しがあって真犯人がいる。前代未聞の仕掛けで推理読者に挑戦する気鋭の乱歩賞作家の新感覚ミステリー。

十字屋敷のピエロ』はピエロの人形からの視点で話が進む新感覚ミステリだ。東野圭吾作品の中でもマイナーだろうか。

 

 

容疑者Xの献身

運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。  天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘の美里と暮らす隣人の花岡靖子に秘かな想いを寄せていた。 ある日、靖子の前夫・富樫が母娘の居場所を突き止めて訪ねてきた。金を無心し、暴力をふるう富樫を、靖子と美里は殺してしまう。 呆然とする二人を救うために、石神は完全犯罪を企てる。 だが皮肉にも、石神と帝都大学の同期であり、親友である物理学者の湯川学がその謎に挑むことになる。 ガリレオシリーズ初の長編。第134回直木賞受賞作。

どんでん返しといえば、ガリレオシリーズの『容疑者Xの献身』も忘れられないだろう。『容疑者Xの献身』で描かれるのは、物理学者・湯川と数学者・石神の戦いだ。石神は思いを寄せる花岡を助けるために、完全犯罪を企てる。読者と湯川はその完全犯罪に挑むことになるのだが、石神がどんなトリックを仕掛けたのかが全く分からない。

倒述形式のミステリになっていて、読者は石神がどんなトリックを仕掛けたのか考える事になる。このトリックが本当に凝っていて分からない。最後にこのトリックが明かされる時には、驚きと感動に襲われた。意外性抜群のトリックと、石神の選んだ決断に心震わされたのである。そしてトリックが分かった後、タイトルの『容疑者Xの献身』に唸らされるのである。

 

 

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