森見登美彦と万城目学ってセットにして語られることが多い作家だなと思う。
2人とも京大出身で、京都にゆかりのある作家だ。
森見登美彦が好きな人は万城目学も好きそうな感じがする。けれど、強いていうならどちらかの方が好きみたいな派閥が存在するとも思う。そう、きのこの山派とたけのこの里派が存在するように。
なぜ2人は比較されることが多いのかというと、その理由は作風の近さにあると思う。
森見登美彦は『夜は短し歩けよ乙女』や『四畳半神話大系』など京大生のコミカルな青春恋愛小説を書いている。
一方の万城目学も『鴨川ホルモー』で京大生を主人公にしたコミカルな青春恋愛小説を書いている。
『夜は短し歩けよ乙女』と『鴨川ホルモー』はどちらもファンタジー要素があって、コミカルな雰囲気といい共通点が多い。なので比較されることが多いのだろう。
2人は、群雄割拠する戦国時代のように小説の舞台を取り合った。意識していたのかはわからないが、森見登美彦は京都を集中的に攻めるという方針をとり、祇園祭を舞台とした『宵山万華鏡』や京大を舞台にした『四畳半神話大系』などを発表している。
一方、万城目学の方は『鹿男あをによし』で奈良を手中に収め『プリンセストヨトミ』で大阪を攻め落とすなど、関西を広域に攻めるという方針をとった。
万城目学は森見登美彦が8割、万城目学が2割で京都が焼け野原になったとインタビューで語っている。
森見登美彦の方は、万城目学が奈良・大阪・滋賀を抑えてしまったがために京都市の左京区に閉じ込められたとも語っている。
あなたは森見派ですか?万城目派ですか?僕はどちらかというと森見派だ。