日々の栞

生活にカルチャーを。本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

「ロミオとジュリエット」は何故シェイクスピア4大悲劇に含まれないのか?

シェイクスピアの四大悲劇とは、「ハムレット」「オセロー」「マクベス」「リア王」である。

これをみた時に、「ロミオとジュリエット」は四大悲劇に含まれないのかと思う人が多いかもしれない。

一般的に「ロミオとジュリエット」は四大悲劇には含まれない。この記事では、「ロミオとジュリエット」は何故シェイクスピア4大悲劇に含まれないのかについて説明したい。

 

 

ロミオとジュリエットとは?

ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』は、14世紀のイタリア・ヴェローナを舞台とした恋愛悲劇である。物語は、モンタギュー家の一人息子ロミオと、敵対するキャピュレット家の一人娘ジュリエットの悲劇的な愛を描いている。

二人は舞踏会で出会い、互いに一目惚れするが、後に互いの家が敵同士であることを知って衝撃を受ける。しかし、二人の愛は変わらず、ロレンス修道僧の協力を得て秘密裏に結婚を誓う。

しかし、ロミオがジュリエットの従兄弟ティボルトを殺害したことで、事態は悲劇へと向かう。ロミオはヴェローナを追放され、ジュリエットは親によって別の男性との結婚を強いられる。ジュリエットはロレンス修道僧から42時間仮死状態になる薬を受け取り、死を偽装してロミオと駆け落ちする計画を立てる。

ジュリエットは薬を飲み仮死状態となるが、ロミオに計画が伝わらず、彼女が本当に死んだと誤解する。絶望したロミオはジュリエットの墓前で毒を仰ぎ命を絶ち、目覚めたジュリエットもロミオの死を知り、彼の短剣で自らを刺して後を追う。この二人の死により、長年対立していた両家はついに和解に至る。

日本でもかなり有名なシェイクスピアの作品である。

 

 

シェイクスピアの四大悲劇とは?

まず、シェイクスピアの四大悲劇について説明しよう。シェイクスピアの四大悲劇とは、「ハムレット」「オセロー」「マクベス」「リア王」の4作品のことを指す。これらの作品は、人間の本質的な弱さや欲望、運命の不可避性を描き、普遍的なテーマを扱っており、世界中で読み継がれている。「ハムレット」では復讐と優柔不断が主人公を破滅に導き、「オセロー」では嫉妬が悲劇の引き金となる。「マクベス」は野心がもたらす破滅を描き、「リア王」では親子関係の崩壊と老いの悲哀が中心テーマである。

ここがポイントになるのだが、四大悲劇は登場人物の性格的欠陥(ハムレットの優柔不断、オセローの嫉妬、マクベスの野心、リア王の傲慢)が彼らの運命を決定づける点で共通している。個人の性格的欠陥が悲劇を引き起こしたということだ。ここが「ロミオとジュリエット」と大きる異なる点だ。

 

 

「ロミオとジュリエット」は何故シェイクスピア4大悲劇に含まれないのか? 

「ロミオとジュリエット」がなぜ四大悲劇に含まれないのかの理由は、悲劇を引き起こすメカニズムの違いにある。『ロミオとジュリエット』は、主人公たちの意志や責任を超えた「運命」のいたずら、「偶然」の不運、そして社会的な「外的要因」が破滅を導く悲劇である。これに対し、四大悲劇は、主人公自身の性格的欠陥が、悲劇をもたらしている。

ここの悲劇のメカニズムの違いが原因じゃないかなと思う。

 

 

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