文豪と温泉には深い関係がある。川端康成などの文豪は旅館に泊まりながら執筆することが多かった。今も読まれ続ける名作の誕生の裏には、日本の温泉地があったのだ。
僕も温泉に浸かり旅館で優雅に在宅勤務をしたい…そんな僕のささやかな夢は叶いそうにないので、文豪が宿泊した温泉旅館を紹介していこうと思う。
- 川端康成が『雪国』を執筆した宿 / 越後湯沢温泉 雪国の宿 高半
- 川端康成が伊豆の踊子を執筆した宿 / 湯ヶ島温泉 湯本館
- 志賀直哉が「城の崎にて」を執筆した宿 / 城崎温泉 登録有形文化財の宿 三木屋
川端康成が『雪国』を執筆した宿 / 越後湯沢温泉 雪国の宿 高半
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「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」という書き出しが有名なのは川端康成の雪国だ。『雪国』の舞台は新潟県の越後湯沢という温泉地である。今だとスキー地として有名だろうか。
『雪国』の主人公は高等遊民の島村と芸者の駒子、そして葉子だ。この三人の人間模様が、美しい雪国を舞台に描かれている。島村は東京に妻がいる身ながら、越後湯沢に芸者を買いに来ている。そこで出会った駒子のひた向きさに島村は惹かれていくのだが…
川端康成は越後湯沢で『雪国』を執筆していた。川端康成が泊まっていた旅館は「高半」というところだ。
「かすみの間」という川端康成が執筆に使った場所も見ることが出来る。冬の越後湯沢は雪景色が圧巻で、雄大な景色に圧倒された。街にも川端康成に由来する場所が多くあるので、ぜひ行ってみてほしい。
川端康成が伊豆の踊子を執筆した宿 / 湯ヶ島温泉 湯本館
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「湯本館」は、川端康成が代表作『伊豆の踊子』を執筆した旅館だ。『伊豆の踊子』というタイトル通り、旅館は伊豆半島の湯ヶ島温泉にある。宿泊して川端康成気分を味わってみるのはどうだろうか。
志賀直哉が「城の崎にて」を執筆した宿 / 城崎温泉 登録有形文化財の宿 三木屋
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城崎温泉といえば兵庫県にある外湯巡りで有名な温泉地だ。この温泉地からも日本文学史に名前を残す名作が生まれている。その名作とは、 志賀直哉の「城の崎にて」だ。『小説の神様』とも呼ばれる志賀直哉は、城崎温泉を訪れ3週間ほど滞在している。その際に宿泊したのが、三木屋だ。ここでの経験を元にして名作「城の崎にて」が誕生したのだ。
三木屋は昔ながらの木造旅館で、静謐な雰囲気を楽しむことができる。旅館だけではなく、城崎温泉という温泉地にも魅力があり、柳の木が川沿いに植えられた温泉街は風情抜群だ。
ぜひ訪れてみてほしい。