日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

最近読んで面白かった本をざっくり紹介する

今週のお題「最近おもしろかった本」

 

今週のお題が「最近おもしろかった本」ということで、ここ数ヶ月読んだ中で面白かった本を紹介したい。小説・新書とジャンルは様々だ。

 

 

『すずめの戸締まり』 / 新海 誠

もうすぐ新海誠の新作が公開ということで、小説版を先に読んでみた。これまで新海誠監督が取り組んできたモチーフとより深く向き合って生まれた作品だと感じた。早く公開するのが楽しみである。

 

plutocharon.hatenablog.com

 

 

『ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を見抜く』 / 岡田 斗司夫

最初に紹介する本は、オタキングこと岡田斗司夫の『ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を見抜く』という新書だ。You Tubeの動画でも岡田斗司夫は未来予測を披露していて、それがかなり面白かったので新書の方も読んでみた。岡田斗司夫は大のSF好きなのもあってか、未来を見通す洞察力がズバ抜けていて、予測する未来像もすごく面白い。

2018年から10年後の未来を予想したのがこの本だ。この本が出版されたのは2018年で、今は2022年なので、この本の答え合わせが少しできるわけだが、驚くべきことにいくつかの予想が的中しているのだ。

例を挙げてみよう。アイドルや芸能人がYouTubeにどんどん進出すると言うのが予見されている。確かに2018年ぐらいでは芸能人がYouTubeに参戦していくような雰囲気ではなかった。だが、今となっては芸能人も積極的にYouTubeチャンネルを持つようになっている。

これぐらいなら誰でも予想できるのではと思うかもしれないが、これはまだ序の口だ。この本では、「ニュースが真実がどうか判断する」ことが重要ではないということも語られている。この言葉は、科学的に考えるとおかしい反ワクチン派が一部の人には受け入れられていたことを予見していたようでもある。そのほかにもSNS映えのような「盛り文化」が主流になることも予見している。

ぜひこの先の未来を予見したい方は読んでみてほしい。また、ユーチューバーが消滅する未来とは何を意味するのか気になる人も読んでみてほしい。

 

 

『外国語学習の科学ー第二言語習得論とは何か』 / 白井 恭弘

大学まで英語を真面目に勉強してきたが未だに英語を喋ることができないのは非効率な教育方法が悪い」と思っている人はぜひこの本を読んでみてほしい。僕が外国語を習得するのに効率的な方法がないか探していたところであったのがこの本だ。

言語学の研究分野の1つに第二言語習得論というものがある。人が第二言語を習得するメカニズムを研究している分野だ。そんな研究があるのなら英語学習に反映すれば効率良く英語を学べるじゃんと思って読んだ本だ。効率的な学習法に弱い私である。

結論から言うと、この本が提示する第二言語学習メカニズムはとても役立つ。ていうか、研究結果が出ているのに中学・高校の教育は研究内容を反映していないのだろうと思った。それほど、今まで効率的と思っていた学習法と違っていたのだ。

この本で紹介されているのはインプット仮説やアウトプット仮説と言う学説だ。詳しい内容を知りたい人はぜひ読んでみて。効率的な学習方法が見つかるはずだ。

 

 

『損する結婚 儲かる結婚』 / 藤沢 数希

最近、弘中アナとプログリットの岡田社長が結婚したことが話題になった。この結婚でさらに話題になったことは、プログリットが上場した後に結婚したことだ。上場後の結婚によってある重大なリスクを避けることができるのだ。

このリスクについて知りたいなら『損する結婚 儲かる結婚』という本がおすすめだ。この本は、恋愛工学で有名な藤沢数希が結婚を金融商品の視点で分析した本だ。藤沢数希は、恋愛に金融工学や心理学の知見を応用した「恋愛工学」の提唱者で知られる。この恋愛工学というのが、女性蔑視的だとしてよく批判を受けているのだが、その話はここでは置いておこう。

1つ質問だが、離婚する際の費用としてあなたが思い浮かべるものはなんだろうか?この質問の答えとして慰謝料としか思い付かなかった人はこの本を今すぐ読んだほうがいい。

離婚が成立するまで所得が高い方が低い方の配偶者に婚姻費用というものを払わないといけないのだ。この金額がなかなか恐ろしい。また、離婚した時の財産分与について知りたいという方にもこの本はおすすめだ。