日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

隠れたミステリの傑作・『神のロジック 人間のロジック』が復刊された件について

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最近仕事が忙しくて本屋に行けていなかったのだが、久しぶりに行ってみると大発見があった。

 

それは、幻のどんでん返しの名作、西澤保彦の『神のロジック 次は誰の番ですか?』が復刊されていたのだ。昔の題名は『神のロジック 人間のマジック』だった。

このミステリは、すごく面白いのだけれど、知名度があまりなく、絶版になっていた本だ。

 

 

その本を読んだのは大学生の頃だ。ミステリ好きの友人に勧められて読んでみたのだが、あまりの衝撃に放心したものだ。

「天地がひっくり返るというのはこのことか」って思うほどインパクトがあった。

 

この本の衝撃を例えるなら、乾くるみの『イニシエーション・ラブ』や綾辻行人の『十角館の殺人』並のインパクトだ。このトリックは見破るのが大変だと思う。

 

僕が大学生の時点で絶版になっていたので、当時は手に入れるのに苦労した。いろんな古本屋を巡った気がする。結局、大阪にあるミステリ専門の古本屋で見つけることができた。

 

それと、「こんなに面白いのに絶版はおかしい」ってすごく思った。

 

僕が本紹介のブログを始めた理由の1つが、知名度がないけど名作な小説を世に広めたいというものだ。この本もそれに該当する。もっと世に知れ渡ってほしい小説だ。

 

『神のロジック』がどんな小説なのかというと、謎の学校を舞台にしたクローズドサークルもののミステリーだ。しかし、ただのクローズドサークルではない。

 

人里離れた「学校」に、生徒が世界中から集められる。学校では、推理ゲームなど風変りな課題が生徒に課されていた。
やがて、「学校」で次々と殺人事件が起きる。なぜ殺人が起こったのか、生徒はなんで「学校」に集められたのか。

最後に衝撃の事実が明かされるのだが、まさに世界が揺らぐような体験を味わえる。

 

本当にすべてがひっくり返されるのだ。こんな読書体験はなかなかない。

 

著者は『七回死んだ男』で有名な西澤保彦だ。『七回死んだ男』もどんでん返しの名作として知られているが、この『神のロジック』はそれを超えるようなインパクトを読者に与えてくれる。

 

また、このミステリなんだけど、ある有名なミステリ小説とトリックが似ている。しかも、出版された時期がほとんど同じだったのだ。すごいシンクロニシティだなって思う。どのミステリかはネタバレになるので書かないけど、調べたらすぐに分かるはず。

 

 

 

 

 

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