この前、直島にアート観光に行ってきた。
草間彌生の水玉かぼちゃや大竹伸朗が制作に関わった銭湯、地中美術館、ANDOミュージアムなど島中にアート作品があふれていて、まさにアートの聖地。
草間彌生や杉本博司といった有名な作家はもちろんのこと、知らなかったアーティストにも出会えて鑑賞の幅が広がる旅行だった。
今回の旅行で出会った興味深い作品「バンザイ・コーナー」について紹介したいと思う。
「バンザイ・コーナー」は、直島にある美術館の一つ、ベネッセハウスミュージアムで展示されている。柳幸典というアーティストの作品だ。
ベネッセハウスミュージアムに展示されている作品の大半は撮影可能だったけれど、「バンザイ・コーナー」は撮影することができなかったので、ネットに落ちていた写真を貼り付けてみた。全体像が見えないのでわかりずらいかな。他のサイトにわかりやすい写真があるので、きになる人はGoogle先生に聞いてみてください。
「バンザイ・コーナー」は、バンザイのポーズをとったウルトラマンとウルトラマンセブンののフィギュアが1/4円状に配置されている作品だ。ウルトラマンのフィギュア自体は展示空間の角に配置されているが、両側の壁に鏡を配置することのよってあたかもウルトラマンのフィギュアが円状に配置されているように見える作品だ。
良くみてみると床が白色で、ウルルトラマンとウルトラマンセブンのフィギュアが織りなす円が赤色だ。そう、日本の国旗(日章旗)になっているのだ。
この作品は何を意味しているのだろう。作品と対峙する中で、考察を深めてみた。
ウルトラマン自身は虚像の円の中心部を見つめている。そしてバンザイをしている。
日本においてバンザイと結びつくのは天皇だろう。「天皇陛下万歳」というと戦時中のようなイメージになるが。ウルトラマンが中心部に見ているのは天皇だろう。日本の中心でもある天皇。その天皇という存在を中心にして日本社会の共同性が成立しているという風に読み解けた。
そしてこの作品は天皇という中心点をもとに日本という虚像の共同体の連帯を守っているとも読み解ける。そして、ウルトラマンが見つめる先は、虚像だ。
この作品は鑑賞しながら、何を意味するのか読み解くが楽しかった作品だ。
シンプルにかっこいいし、ウルトラマンという大衆文化を用いたポップアートのようにも思える。
直島のベネッセハウスミュージアムに行った際には是非とも鑑賞してみてほしい。
日本の国旗になっている
全体