日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

ウディ・アレン監督の笑えるユーモア映画まとめ

ユーモアが魅力のウディ・アレン作品


『映画と恋とウディ・アレン』予告編

 疲れているから重い映画は見たくないけれど、軽いコメディは見たい。そんなときは間違いなくウディ・アレンの映画をみる。ウディ・アレンの映画はストーリーを楽しむというよりも、登場人物たちの軽妙な掛け合いを楽しみたいから観ているような気がする。ウイットに富んだウディ・アレン節を味わいたいときがしばしば訪れるのだ。寝る前に、肩の力を抜いて笑える映画が観たくなる時がある。そんな映画を観たくなった時は大体ウディ・アレンの映画を観ているような気がする。

笑って楽しめるウディ・アレンの映画を紹介しようと思う。

 

 

 

誘惑のアフロディーテ

誘惑のアフロディーテ (字幕版)
 

 『誘惑のアフロディーテ』はギリシャ悲劇を下敷きに、ある男の運命の悲劇をコミカルに描いている。主人公のレニーはマックスという養子をとる。マックスが順調に成長していく中で、レニーは、マックスの母親がどんな人であるか気になり始める。レニーは母親のリンダを探し当てるが、リンダは娼婦でありポルノ女優だったのである。ギリシャ悲劇の『オイディプス王』と同様に、知りたいという好奇心が悲劇を引き起こしていく。劇中にコロス(合唱団)が出てくるように、『誘惑のアフロディーテ』がギリシャ悲劇のパロディになっている。この映画はレニーとリンダの悲劇的で喜劇的な運命を、『オイディプス王』といったギリシャ悲劇になぞらえて描いている。ただ、あらすじがあらすじなので、ウディ・アレン作品の中でもハイレベルな下ネタが繰り広げられている。下ネタが苦手な人はご注意を。

 

 

 おいしい生活

おいしい生活 (字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 レイとその妻のフレンチーは、銀行の隣の空家の地下から穴を掘って銀行の金庫を破る計画を立てる。 銀行強盗が題材のサスペンスになるのかなと思って見ていたら、ウディ・アレンらしいおかしい展開になっていく。空家で人の目を誤魔化すために開いたクッキー屋が予想外に繁盛してしまって、銀行強盗をしなくてもお金持ちになってしまったのだ!お金持ちになったものの、育ちがいい訳ではないので教養がない。そのコンプレックスをネタに昇華しているのがおもしろい。

 

 

 マンハッタン殺人ミステリー

マンハッタン殺人ミステリー (字幕版)

マンハッタン殺人ミステリー (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

『マンハッタン殺人ミステリー』は肩の力を抜いて観れるコメディタッチのミステリーだ。登場人物たちの掛け合いはジョークがきいていて面白いし、コメディタッチといってもミステリーの部分はしっかりとしていて、ミステリーとしてもしっかり楽しめる。ラリー(ウディ・アレン)と妻のキャロル(ダイアン・キートン)はひょんなことから同じマンションに住むハウス夫妻の家に招かれる。しかし、次の日ハウス夫人が心臓発作で死んだと知らされる。夫のハウス氏が妻を殺したと疑うキャロルは、何とか証拠を見つけようと、友人のテッドの協力を得て、探偵のまねごとを始める。ウディ節満載のコメディタッチのミステリーでもあるし、倦怠期の夫婦が冒険に繰り出すことで夫婦の危機を乗り越える話でもある。休日の夜に肩の力を抜いて、のんびりと楽しめる映画であることは間違いない。

 

 

タロットカード殺人事件

タロットカード殺人事件 [DVD]

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タロットカード殺人事件』は、脱力して楽しめるコメディタッチのサスペンスだ。タロットカードが関係する事件の謎解きを楽しむというよりかは、スカーレット・ヨハンソン演じる女子大生とウディ・アレン演じるマジシャンとのコミカルな会話を楽しむ映画だ。『マッチポイント』でも予想を超えるエンディングを持ってきたけど、『タロットカード殺人事件』でも普通とは違う一ひねり効いたエンディングが待っている。ウディ・アレンらしいブラックユーモアが効いたシニカルなエンディングは予想外すぎて、笑ってしまう。