日々の栞

本、映画、ファッションについて気ままに書く。理系の元書店員。

演劇畑からデビューした現代文学作家のまとめ

戯曲と小説には綿密な関係がある。三島由紀夫安部公房など優れた小説家は、素晴らしい戯曲も書き残してきた。また、小説家が戯曲を書くだけではなく、劇作家が小説を書き小説家としてデビューした事例も数多くある。演劇畑出身で活躍している小説家を紹介していきたい。 

 

 

 

 

岡田 利規

岡田利規は『三月の5日間』で知られる劇作家だ。『三月の5日間』は、アメリカ軍がイラク空爆を開始した3月21日を間に挟んだ5日間の若者たちの行動を語る戯曲。この『三月の5日間』は小説化されており、『わたしの場所の複数』という小説とともに『わたしたちに許された特別な時間の終わり』という小説集に収録されている。この小説集は人称と視点の表現に一石を投じた傑作だ。移人称小説の先駆けとなる小説である。ぜひ読んでみてほしい。

 

 

本谷 有希子

異類婚姻譚 (講談社文庫)

異類婚姻譚 (講談社文庫)

 

本谷有希子は20歳で「劇団、本谷有希子」を創立し、『幸せ最高ありがとうマジで!』で岸田國士戯曲賞を受賞している。小説家デビューしてからは、『ぬるい毒』で野間文芸新人賞『嵐のピクニック』で大江健三郎賞、『自分を好きになる方法』で三島由紀夫賞を受賞した。さらには『異類婚姻譚』で芥川賞を受賞し、純文学新人賞の三冠を達成している。

 

 

 

山下 澄人

緑のさる

緑のさる

  • 作者:山下 澄人
  • 発売日: 2012/03/16
  • メディア: 単行本
 

劇団「FICTION」を主宰し、『緑のさる』で小説家デビュー。デビュー作の『緑のさる』で野間新人文学賞を受賞し、華々しいデビューを飾った。山下澄人の小説の特徴といえば、実験的な人称・視点の表現だ。2010年代は移人称小説というタイプの小説が流行した。移人称小説とは、三人称多元視点でなくては見えないことを一人称一視点のまま語ったりと、視点と人称に仕掛けがある小説のことだ。山下澄人は、移人称小説を書いている中心的作家だ。山下澄人のオススメ小説は、『緑のさる』と『ギッちょん』。

 

 

 

前田 司郎

大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇 (幻冬舎文庫)

大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇 (幻冬舎文庫)

  • 作者:前田 司郎
  • 発売日: 2011/01/01
  • メディア: 文庫
 

前田司郎は初期の頃から小説を書き続けている。三島由紀夫賞といい、数々の賞を受賞している。 

 

 

 

前川 知大 

散歩する侵略者 (角川文庫)

散歩する侵略者 (角川文庫)

 

 前川知大は『散歩する侵略者』や『太陽』で知られる劇作家だ。両作品とも小説になっており、映画化もされている。