日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

岩波文庫はインテリアとして機能する説

 岩波文庫読んでいると頭良くなった気がするよね

読書について 他二篇 (岩波文庫)

読書について 他二篇 (岩波文庫)

 

 文庫本で一番ブランド力があると思うのは岩波文庫だと思う。異論は認めない。古典の小説から哲学書・人文書・経済学と幅広くラインナップされた岩波文庫は、まさに知性の殿堂ドンキ・ホーテ。いやドンキ・ホーテではない。見た目から漂う格調高さといい、簡単に返品出来ないところいい、文庫界の頂点に君臨する。そんな岩波文庫に関して一つ仮説を提唱したい。

 

もはや岩波文庫はインテリアとしても使えるんじゃね?

 

説明しよう。やっぱり本棚に岩波文庫があると自分から知性が溢れている気がしないだろうか。友人にも、岩波文庫がある本棚を見せることで、「こやつできるやつだな」と牽制することが可能だ。異性に見せると、「この人知性のある人なのね」と錯覚を起こすことができる。まさに万能の映えアイテムこそ岩波文庫。インスタ映えだって間違いなし。実際に本棚を見てみよう。

 

 まずは岩波文庫がないとき

f:id:plutocharon:20200506155603j:image

 ちなみにこの棚はフランスのヌーヴォー・ロマンと不条理小説を中心に棚を揃えている。カポーティより右はなんとなくおいたので棚のまとまりがないのはご愛嬌。

 

 

次に岩波文庫があるとき 

f:id:plutocharon:20200506155753j:image

『タタール人の砂漠』・『シルトの岸辺』・『伝奇集』というちょっとメジャーどころから外れたのをチョイスしてみた。やっぱり棚からみなぎる知性が違うのが感じられると思う。ちなみに『タタール人の砂漠』・『シルトの岸辺』は待ちぼうけ小説で固めておいてみた。あと『ゴドーを待ちながら』・『夷狄を待ちながら』があれば完璧である。ご覧の通り岩波文庫が棚にあると漂う知性が違うのである。棚の迫力が違う。

 

よって、岩波文庫を読むだけでなく、知性を漂わせるアイテムとして使えることを提唱したい。ケインズの『雇用、利子および貨幣の一般理論』とかおいていたら間違いなくインテリに見える。因みに、『雇用、利子および貨幣の一般理論』は経済学を学んでいる人なら必ず知っている名著だが、めちゃくちゃむずい。本棚にケインズがおいてあっても、知ったかぶりとバレたら知性が大幅に低減するので、バレない程度に知性を漂わせてください。

雇用、利子および貨幣の一般理論〈上〉 (岩波文庫)