『アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ』が公開
アラン・ロブ=グリエという作家は一般的に知られてないかもしれない。知ってるとしたら、余程の文学好きか文学部の学生ぐらいだろう。それもそのはずで、大衆受けするようなエンタメを書いている訳ではなく、むしろその真逆の前衛小説や実験小説を書いてきた作家だ。アラン・ロブ=グリエは、フランスの前衛文学の潮流『ヌーヴォー・ロマン』を代表する作家である。その作品は難解なことで知られ、アンチミステリの『消しゴム』や人称実験小説の『嫉妬』などの小説を残している。
また、アラン・ロブ=グリエは映画にも関わりがあった。(もちろん難解な前衛的な映画)アラン・レネの『去年マリエンバートで』の脚本を書いている。『去年マリエンバードで』は難解な映画として知られていて、時系列が複雑で一度見ただけでは理解することが出来ない映画だ。アラン・ロブ=グリエ自身も映画を撮っていたが、日本では公開されることがあまりなかった。
今回『アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ』という企画で、アラン・ロブ=グリエ の日本未公開映画が公開されることになった。今回公開されるのは『不滅の女』、『ヨーロッパ横断特急』、『嘘をつく男』、『エデン、その後』、『快楽の漸進的横滑り』、『囚われの美女』の6作。このうち『囚われの美女』以外は、日本で公開されていない。アラン・ロブ=グリエの映画って日本ではなかなか見る機会がないから、これは嬉しい。全部みたいけれどお金が足りるかどうか・・・
現在入手できるアラン・ロブ=グリエの小説
現在アラン・ロブ=グリエの小説は入手しずらい。『嫉妬』とか『新しい小説のために』とかは絶版になっている。現在入手できるのは『消しゴム』、『迷路のなかで』、『覗くひと』、『反復』だ。あと『快楽の館』は最近品切れになったので、書店で探せばあるかもしれない。
消しゴム
迷路のなかで
覗くひと
反復