村上 春樹
皆さんは18歳に戻りたいだろうか? 僕としては、戻りたい気もするし、戻りたくない気もする。今の記憶を持って戻ったら、未熟な18歳の僕でももっとマシな立ち回りができたんだろうなと思う。 村上春樹の短編「32歳のデイトリッパー」では、18歳に戻りたいか…
現代日本文学を代表する作家・村上春樹。その人気は日本にとどまらず、世界中で広く読まれ愛されている。 それもあってか、ノーベル賞が発表される時期になると、「ノーベル文学賞最有力候補」ともてはやされている。まあ、ノーベル文学賞の候補は公表されて…
www.jiji.com 村上春樹がチノ・デルドゥカ世界文学賞を受賞したと言うおめでたいニュースが入ってきた。 イタリアの文化人の名前を冠した「チノ・デルドゥカ世界文学賞」は「現代のヒューマニズムのメッセージ」を表現する人に授与される賞のようだ。賞金は…
村上春樹の小説によく登場する動物といえば、やっぱり羊だと思う。 タイトルに羊と入る『羊をめぐる冒険』は村上春樹の代表作だ。『羊をめぐる冒険』に登場する羊男は有名なキャラクターで、『羊男のクリスマス』や『図書館奇譚』にも登場している。その他に…
いきなりだが、男子が女子に聞かれて困る質問ってなんだろうか? いきなり来るのはステーキだけにしてくれという人がいるかもしれないが、考えてみて欲しい。ありすぎて、絞りきれないという人もいるかもしれない。 男子が女子に聞かれて困る質問の個人的第…
小中学校の同級生にとてもサッカーが上手い子がいた。運動神経がとても良くて、走りも早い。ドリブルをすれば誰も止めることができなかった。おまけに顔がカッコよくて、女の子にとてもモテた。まさしく神童だった。 高校からは名のしれた強豪校に推薦で入学…
「夜中の汽笛について、あるいは物語の効用について」は『夜のくもざる』に収録された村上春樹の超短編小説だ。いや、長さ的にはショートショートと言った方がいいのかもしれない。 『夜のくもざる』は、村上春樹とイラストレーターの安西水丸がコラボレーシ…
「女のいない男たち」は村上春樹の短編集『女のいない男たち』に収録された短編小説である。『女のいない男たち』という短編集は、何かしらの理由で女を失ってしまった男たちを描いた、コンセプトアルバムのような作品だ。「女のいない男たち」という短編は…
僕はエッセイはほとんど読まないし、海外の地も踏んだことがない。この御時世、海外旅行もなかなか行きづらいので、海外旅行についてのエッセイを読んで旅行気分に浸ってみた。その他にも、村上春樹の小説をほとんど読んでしまって、読んでいないのはエッセ…
村上春樹の短編集『女のいない男たち』に収録されている小説の中で、僕が一番好きなのが「木野」だ。『女のいない男たち』の中でだけでなく、村上春樹の短編作品の中でもベスト10に入るくらい傑作だと思う。「木野」ってなかなか変わったタイトルだが。 「木…
村上春樹の中で短編集に収録されておらず、全集にしか収録されていない短編小説がある。それが「青が消える (Losing Blue)」だ。「青が消える」という短編は、タイトル通り「青」色が世界から消えていく様を描いた、ちょっとSF風味のある小説だ。例えば、青…
村上春樹の短編小説の中でも最も異色な小説は何かと言われれば何を思い浮かべるだろうか? ウイットに飛んだ「ファミリー・アフェア」と答える人がいるかもしれないし、村上春樹では珍しい家族の話を描いた「蜂蜜パイ」と答える人がいるかもしれない。僕はど…
皆さん、村上春樹を読んだことがあるだろうか? 僕は高校生ぐらいから村上春樹にハマって、村上春樹の長編小説は全部読んだ。 一通り全部読んだので村上春樹のおすすめ長編ランキングを独断と偏見で作ってみようと思う。 村上春樹の長編小説をどれから読むか…
www.youtube.com 最近悲しいニュースが多いけど、喜ばしいニュースが入ってきた。映画賞を総ナメしていた濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞国際長編映画賞を受賞したのだ。本当にめでたい。これはかなりの快挙じゃなかろうか。アカデミ…
www.youtube.com 村上春樹の「ドライブ・マイ・カー」を原作にした濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が数多くの映画賞を受賞し、アカデミー賞にノミネートされるなど、最近話題を集めている。 舞台俳優・演出家の家福(かふく)が、妻の喪失と残した秘…
村上春樹が好きな人というのは多いはずだ。中には村上春樹の小説を全て読み終わってしまったという人もいるかもしれない。僕もそうだったのだけれど、村上春樹の小説を全て読み終わってしまって、次にどんな小説を読んだらいいのかと思った時期があった。 村…
村上春樹の小説には、複数の小説に登場するキャラクターがいる。有名なものをあげれば羊男がいるだろう。それ以外にも、名前がよく出てくるキャラクターがいる。 それが渡辺昇(ワタナベ・ノボル)だ。 パン屋再襲撃に収録される短編に登場する「渡辺昇」た…
梅雨の季節になった。じめじめするのが嫌な季節だ。だけど、雨というのはなんだか風情がある。 ノルウェイの森 上 (講談社文庫) 作者:村上 春樹 講談社 Amazon 雨が印象的な小説というと、村上春樹『ノルウェイの森』が思い浮かぶ。あの小説には、暗くて重い…
梅雨の時は外に出かけにくく、家の中で過ごすことが多いだろう。そんな時は、雨が降るのを眺めながら読書に耽るのが趣があって素敵だと思う。梅雨時に読みたい、雨が印象的な小説を紹介したい。 ノルウェイの森 / 村上 春樹 傘を探す / 佐藤 正午 驟雨 / 吉…
「ファミリー・アフェア」は村上春樹の短編小説の中でも個人的に大好きな小説だ。僕が「ファミリー・アフェア」が好きな理由は、文章のウィットにある。この小説では、主人公が冗談好きというのもあって、とにかく気の利いた表現が多くて面白い。また主人公…
村上春樹とユニクロがコラボして、村上春樹の小説を題材にしたUTが発売された。これには結構驚いた。まさかユニクロと村上春樹がコラボするなんて。やれやれ。 UTからは『1Q84』や『ダンスダンスダンス』、『ノルウェイの森』、『スプートニクの恋人』、『19…
羊をめぐる冒険 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 物語にはいくつかの基本パターンみたいなものがある。有名なもので言えばオイディプス王に見られる様な「父殺し」の物語骨格がある。「父」というモチーフは色んな文学作品で扱われていて、志賀直…
中高生の国語の授業で扱う小説といえば、中島敦の『山月記』や芥川龍之介の『羅生門』、夏目漱石の『こころ』があるだろう。 国語の教科書に載っている小説って昔の作家が多い印象だが、そうでもない。現代日本を代表する村上春樹の小説も新しい定番として国…
村上春樹は喪失をテーマに数多くの小説を書いてきた。有名な『ノルウェイの森』もそうだし、『羊をめぐる冒険』や『風の歌を聴け』もそうだ。様々な角度や視点から「喪失」を描いてきた村上春樹だが、「トニー滝谷」という短編は残された「遺品」が存在の不…
「とんがり焼」と聞くと「とんがりコーン」の事を思い浮かべる。名前がほとんど同じだし、「とんがり焼」は「とんがりコーン 」のことを言っているのだろうと思っていた。「とんがり焼き」とは何ぞやと思う人が多いと思うが、知らない人が大半だろう。 「と…
風の歌を聴け (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』。短い小説でありながらも、文体が完成されていて、様々な謎が散りばめられている。単純に読めば、ほろ苦い夏の出来事を描いた小説であるように思えるが、この…
日も短くなり、Tシャツだけでは肌寒くなる10月になりましたね。10月といえばそう、「村上春樹ノーベル文学賞受賞なるか」が話題になる季節です。ここ数年ぐらい、毎年10月になるとその話題で騒がしくなる。もはや、テレビでハルキストの集まりが中継され、受…
「四月のある晴れた朝、原宿の裏通りで僕は100パーセントの女の子とすれ違う。」こんな印象的な書き出しで始まるのが、「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」 だ。とても印象的なタイトルだ。この小説は、村上春樹の比喩の卓越…
『カンガルー日和』は、村上春樹の短編小説の中でもショートショートに近い小説が集められた短編集だ。印象的な短編が多く収録されていて、村上春樹初心者にもオススメの短編集だ。収録作品を一つ一つ見ていこう。 カンガルー日和 タクシーに乗った吸血鬼 あ…
皆さんは吸血鬼の存在を信じるだろうか?しかも吸血鬼がタクシーの運転手だったら? 「タクシーに乗った吸血鬼」という『カンガルー日和』の短編小説は、文字通りタクシーの運転手が吸血鬼だったという話だ。いかにも村上春樹らしい言い回しが随所に散りばめ…