日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

人はみな孤独な旅人 / 『スプートニクの恋人』 村上 春樹

恋愛の痛みと不条理さを描いた『スプートニクの恋人』 22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒 し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎ…

村上春樹のベストアルバム / 『騎士団長殺し』 村上 春樹

村上春樹の総集編とも言える『騎士団長殺し』 謎めいたタイトルと内容が明かされないことで同発売前から大きな注目を集め、発売当日には長蛇の列ができるなど、注目を集めている村上春樹の最新長編小説 『騎士団長殺し』。どこの書店に行っても『騎士団長殺…

『ノルウェイの森』が好きな人におすすめの小説

『ノルウェイの森』みたいな小説が読みたい! ノルウェイの森 上 (講談社文庫) 作者:村上 春樹 講談社 Amazon 『ノルウェイの森』は村上春樹の代表作として有名な小説だ。タイトルはビートルズの名曲「ノルウェイの森」に由来していて、主人公ワタナベと直子…

イメージが織りなす迷宮 / 『快楽の館』 アラン・ロブ=グリエ

イメージの反復 女の肉体に眺め入る。麻薬や人身売買が横行し、スパイが暗躍する英領香港の一郭、青い館が催す夜会。そこで出会った娼婦を手に入れるため金策に走り出す。一方では老人の不可解な死…あざやかな幻覚が紡ぎ出すエロティシズムの体験。小説の枠…

官能的な変身譚 / 『フラミンゴの村』 澤西祐典

ある日村の女たちがフラミンゴに 男が眠りから覚めると虫になってしまったのはカフカの変身、男が自尊心と羞恥心を拗らせて虎になってしまったのは中島敦の山月記。そしてこのフラミンゴの村では、女たちがフラミンゴになってしまう。有名な変身譚と比較して…

2017年はウディ・アレン監督の映画が2回も映画館で観れる

ついつい観たくなってしまうのがウディ・アレン監督の映画だ。シニカルだけどユーモアに溢れているおしゃれな映画。脱力してゆったりと観れる映画の一つだ。タイトルの通り今年はウディ・アレン監督の映画が2回も映画館で観れる!『カフェ・ソサエティ』と『…