日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

理系就活生におすすめの就活本

就活は大学生活の中でもメインイベントの一つに入る。

僕は理系大学院生で就活をし、色々大変なこともあったけれど(研究と就活の両立とか)、なんとか大企業と言われるメーカーに内定を頂いた。このご時世、大企業に行くことにあまりメリットがないかもしれないけれど、色々考えた上で納得が出来た就活になった。

就活ってどうしたらいいのか分からないとか、研究生活と就職活動を両立で悩んでいる人とかの役に立てばいいなと思って、自分の体験談を基におすすめの『就活本』について紹介しようと思う。 

理系大学院生として就活して思ったのだが、巷の就活本って文系職に関することしかかかれていないことが多い。理系と文系ではキャリアパスが違うところがある。理系のキャリアパスを考えるうえで参考になる本もあげておいた。僕は基本的に「絶対内定」シリーズを使っていた。他の就活本より内容が濃いのでおすすめ。

 

 

 

就活全般

 キャリアデザイン入門

就活とは何か?これからどういう仕事をして生きていくか、キャリアデザインについて考えるための本。本当にまだ自分が何をしたいのか分からない人におすすめ。キャリア理論を援用して、各年代ごとのキャリアパスがどうあるべきかが説明されている。あと、より良いキャリアパスを描くために必要となる能力も説明されていて、就活生のみならず自分のキャリアパスについて悩んでいる人全員におすすめ。

 

 

LIFE SHIFT

これからのキャリアを決めるうえで考えなければならないのが、時代の変化だ。人工知能の登場で雇用はどう変化するのか?寿命100年時代の生き方とは?変化が目まぐるしい未来を生き抜くための指針となる本。変身資産がこれからは重要になってくる。

 

 

 就活の法則 適職探しと会社選びの10ヵ条

大企業に入ることは良いことだというが、本当にそうだろうか?この本は内定を取ることだけを目的にした本ではない。内定後のその後、入社してから活躍できるかに焦点が当てられている。特に、「自分が会社の中で相対的に優位なポジションに立てることが重要」というのが参考になった。就活は内定がゴールではない。むしろスタートなのだ。僕は、この「相対的に優位なポジションに立つ」という考え方にとても影響を受けた。これを意識して就活を行なったし、今の会社でも「相対的に優位なポジションに立つ」ことを意識して仕事やキャリアを築いていこうと思っている。

  

 

 大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル

理系の人で就職活動する人には大学院生の人が多いと思う。案外理系大学院生向けの就活の本って少ないように思う。この本は大学院生目線で書かれていて、凄く参考になる。

 

 

 理系のための就活ガイド

理系向けの就活ガイド。案外理系に特化した就活本って少ないんだよな。

 

 

 新しい理系キャリアの教科書ー30代・理系人間は知財を武器に勝ち残れ

理系の研究職で入社したとしても、研究者としても生き残れるのは一握りの存在だ。研究者として生き残れなければどうすればいいのか?この問いの答えの一つは『知財』だ。知財とは、ざっくりいうと、特許や著作権に関することだ。理系のキャリアパスの保険として知財の有用性が書かれている。僕自身、理系の研究職以外のキャリアパスを知らなかったので参考になった。この本を読むと理系のキャリアについての考え方が広がるのでおススメ。

最近では知財のさらなる活用として、事業戦略に特許情報を反映させるIPランドスケープが注目されているので、知財の知識はあった方が良い。

 

 

採用基準

採用基準

採用基準

Amazon

これからの時代、どんな能力を持つ人材が必要とされるのだろう?英語力?プログラミング力?コミュ力?それも必要とされるだろうが、何よりも優先順位が高いのが「リーダーシップ」だ。タイトルが採用基準となっているけれど、就活だけの話ではなくこれからリーダーシップを発揮する人材がなぜ必要とされるのかが書かれた本。これからのキャリアプランを考える上で参考になると思う。

 

 

何者 

この本は今まで紹介してきた本と少し毛色が違う。直木賞を受賞した小説だ。就活のリアルな姿が描かれている。真面目系、意識高い系、アーティスト系、分析系、天真爛漫系、理系など様々な登場人物が登場するので、自分に近い考えの登場人物に感情移入できる。この本と自分の経験を踏まえると、ありのままの自分を受け入れ、その自分に合う会社に出会えれば内定は貰えるんじゃないかなと思った。一つ注意としては、この本は精神的ダメージが大きいので、就活中に読むのはお勧めできない。読むなら就活を始める前か、終わったあとがいい。実写化もされているが、キャストが小説にあっていて、演出も面白かったので、こちらも是非。

 

 

自己分析

自己分析というと、自己啓発みたいでなんだか胡散臭いと思う人もいるかもしれない。

僕も最初は胡散臭く思っていたけれど、別に胡散臭くもない。自己分析とは、自分がどんな人間なのかを考えることだ。自分は今まで何をしてきたか、自分はどんな価値観を大切にしてきたか、将来何がしたいのかを自分に問いかけて考える。とにかく深く深く考える。そして企業に自分はこういう人間で、こういうことができると、「自分という商品の説明」が出来るようになればいい。

ちなみに、SHOWROOMの前田裕二さんは30冊もの自己分析ノートを書いたらしい。僕は一冊もいかなかったけれど。

 

理系ならではとして、自分の研究内容をまとめておこう。研究者向けの説明と、一般人向けの説明の二つを用意しておくようにしよう。研究職の人に研究内容を説明する場面(技術面接)もあるし、人事の人にわかりやすく研究内容を説明する場面もある。僕は友達同士で練習していた。技術面接で重要視されるのは、自分がどのように工夫して研究したか、困難をどのようにして乗り切ったか、だと感じた。

 

絶対内定2023 自己分析とキャリア分析の描き方

自己分析の本はこれさえあれば十分だと勝手に思っている。自分の事を考えるのって意外と難しい。この本に書いてある質問を全部こなして、何周もすれば完璧だと思う。とにかくノートに書く!そして考える。

 

 

業界研究

就活において自己分析と並んで大切なのが、業界研究・企業研究だ。自分が志望する業界はどのような歴史をたどってきたのか、課題は何か、これからの展望はどうなのかを分析していく。企業研究では、業務内容や主力の製品、会社の社風を調べておく。ちゃんと調べておかないと、入社後に「思っていた仕事と違う」といったミスマッチを引き起こしかねない。初期段階の企業研究では、説明会で貰えるパンフレットや就活生向けの企業ホームページが役に立つ。しかし、この情報は大半の就活生が辿りつく情報源だ。これでは差別化ができない。そこでおすすめしたいことが説明会やOB訪問などで社員さんと話すなどして、自分の足で情報を集めるというのが一番差別化を図りやすい。でも、忙しい理系大学院生ならそんな暇がない人もいるだろう。

別の差別化できる情報源としては、投資家向けの情報がある。企業のホームページをみたら、ほとんどの企業のサイトにはIR情報がある。その中の中期経営計画をみれば、これから会社がどのような方向性で事業を展開していくかが分かる。ファクトブックなどをみれば、就活生向けの情報より詳しい会社説明が書かれるので参考にしたほうがいい。他の就活生が知らない情報源を基に逆質問とかをすると、ちゃんと調べているという印象を与えることが出来る。

僕の経験からいうと投資家向けの情報を読んでいる人は本当に少なかった。あとは行きたい企業のニュースを日経新聞でチェックするのも参考になる。とりあえず、気になる企業は説明会に行こう!

 

就職四季報

「就活のバイブル」となっている就職四季報は、企業分析の定番だ。年収やボーナス、初任給、有休取得率、配属、離職率、残業時間などの企業の客観情報がコンパクトにまとまっている。さらにはエントリー情報や採用プロセス、採用実績大学、求める人材像など選考に役立つデータも充実。ES通過率や求める人材像はエントリーシートを書く時に凄く役に立つ。

また、適性検査や筆記試験でどんな問題(SPIや玉手箱、SCOAなどの種類)が出されるかも書かれているので、試験対策の参考になる。買うなら必ず最新版のものを買うようにしよう。

 

 

「会社四季報」業界地図

各業界の動向や構造が分かりやすくまとまっていて、業界分析にうってつけの本。志望している業界にどんな企業があるのかが一目で分かるという優れもの。メジャーなものからニッチなところまで、いろいろな業界について書かれているので、自分が知らなかった業界にも出会える。まだ業界を絞れていない人はこの本を読むだけでも参考になるんじゃないかな。四季報にも言えることだけど、情報が古くなっているところもあるので、最新版を読むようにしたほうがいい。日経版もある。

 

 

 日経文庫の業界研究シリーズ

深く業界研究をしたい人には、日経文庫から出ている業界研究シリーズがおすすめ。出版元が日本経済新聞社ということもあり、業界の歴史や課題、展望についてかなり詳しく書かれている。業界だけではなく、業界に属する企業についても個別に詳しく説明されている。 ここまで読んでいる就活生はほとんどいないと思うから、かなり差別化になるんじゃないかな。

 

 

エントリーシート

まずはエントリーシートが通らなければ、面接さえ受けることが出来ない。

書類選考を通過するエントリーシートを作るには、とにかく書いて、他の人に見てもらって添削してもらい、訂正するというサイクルを繰り返すしかない。

理系の技術職なら、エントリーシートと一緒に研究概要を出さないといけない。この研究概要を書くのがなかなかしんどい。他の研究分野の人にも読んでもらって、分かりやすい説明が出来ているかどうか確かめよう。

 

絶対内定2023 エントリーシート・履歴書

僕が使ったのはこの『絶対内定 エントリーシート・履歴書』だ。この本で繰り返し言われているのが、完璧なエントリーシートを出すことで面接も有利になるということだ。出来の悪いエントリーシートだと、運よく書類選考が通ったとしても、面接でエントリーシートの穴の部分や辻褄が合わない部分を聞かれて、落ちてしまうことが多い。先輩に選考フローの中で何が一番大事か聞いてみたけど、みんなエントリーシートを丁寧に書くことが大事といっていた。エントリーシートの本は色々出ているので、自分のスタイルにあっているものを選んだらいいと思う。

 

 

面接

就活の最終関門が面接だ。理系にとってはここが一番つらい。何故なら、過酷な研究室生活でコミュニケーション能力を失っているからだ。

 

絶対内定2023 面接

個人面接、集団面接、グループディスカッションなど面接の種類ごとに、攻略法がかかれている。この本を読んだら、あとはひたすら練習して本番に備える。面接は練習が命だと思う。場数を踏めば、緊張もやわらいでくるし、堂々と面接に臨むことが出来る。

 

 

 面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと

面接の10分前、1日前、1週間前に準備するべきことが書かれていて参考になる。

 

 

 面接官の心を操れ! 無敵の就活心理戦略

面接官の心を操れ! 無敵の就職心理戦略

面接官の心を操れ! 無敵の就職心理戦略

 

面接では喋る内容と並んで重要なのが、第一印象。心理学的な面から面接を考えたのがこの本。読み物としても面白い。

 

 

僕は全部の本を買ったわけではない。全部買っていたら、ただでさえ貧乏な大学院生なのだから破産してしまう。なので、大学のキャリアサポート室や図書館で借りたり、友達と一緒に買ったりしていた。あまり時間はないかもしれないけれど、参考になりそうな本があれば、是非読んでみて!それでは就職活動頑張って!君ならきっと大丈夫!

 

 

関連記事で、僕が就活で心がけていたことについての記事。

plutocharon.hatenablog.com