日々の栞

本や映画について気ままに書く。理系の元書店員。村上春樹や純文学の考察や感想を書いていく

そろそろ服からサイズという概念がなくなってもいいんじゃないか?

そろそろオートクチュール復権してもいいんじゃない?

服を買うときに重要なのは、何といっても服のサイズ。自分にあったサイズを選ぶために何度も試着したり、鏡の前でにらめっこしたりする。はたまた無理して自分が服にサイズを合わせにいったことがある人も多いだろう。しかし、よく考えてみてほしい。サイズという概念は必要なのだろうかと。そもそも人の体はそれぞれ違っている。足が長い人もいれば、短い人もいる。肩幅が大きい人や、なで肩の人、腕が長い人、胴が長い人、人の体は千差万別だ。それを強引にS・M・Lで区切るのは荒っぽくないのかと思うのである。サイズという概念はプレタポルテ(既製服)と切り離すことが出来ない。厳密に計測して作成するオーダーメイドのオートクチュールでは大量生産することができない。サイズという概念に疑問を投げかけるのは、プレタポルテという概念に疑問を投げかけることに近い。しかし、色々な技術が発達した現在ではオートクチュールを低コストで実現することが可能ではないだろうか。このことを考えるようになったきっかけが二つある。ANREALAGEとZOZOスーツだ。

 

 

ANREALAGEのサイズが変わる服

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パリコレに進出している日本の新進気鋭のブランド・ANREALAGE。ANREALAGEは服の概念を問うような服や、最新のテクノロジーを応用した服を発表し続けている。そのANREALAGEが2014S/Sで披露したのが「SIZE」というショーだ(このときは東京コレクション)。ショーの前半では、様々な服のサイズを変え、小さなアウターや大きなインナーを披露している。そして後半では、服の内部にワイヤーを張り巡らし、自由にサイズを調整できる服が登場した。人が服に合わせるのではなく、服が人に合わせる。まさに、サイズの概念を問うようなショーであった。

 

 

次世代のオートクチュール!?ZOZOスーツ

http://zozo.jp/zozosuit/

 

さらに可能性を感じさせてくれたのはZOZOTOWNが無料で配布したZOZOスーツだ。このスーツは、伸縮センサーを内蔵しており、このスーツを着ることで採寸が可能となる。そしてスマホでデータを読み取ることが出来る。しかもZOZOスーツを無料で配布したのだから驚きだ。このスーツを活用すれば、精密な身体データを簡単に集めることが出来る。そのデータを活用して完全オーダーメイドの服を作ることが出来る。またこのデータを活かすことで、ネット通販では出来ない試着の代わりになる。ハイテクを活かした次世代のオートクチュール。サイズが決まったプレタポルテではなくて、ハイテクをいかして完全オーダーメイドの服を低コストで実現できるのではないだろうか。また体型データを分析し、似合うコーディネートを提案してくれるサービスも展開するようである。人が服に合わせるのではなく、服が人に合わせるというように、ファッションの常識が大きく変わっていくのかもしれない。

 

しかもZOZOスーツで得た身体データはファッションだけではなくて、医療や保険業界などにもそのビックデータを活かせるというメリットもある。そうなると服の販売だけではなくて、データ活用という新しいビジネスも生まれてくる。恐るべしZOZOTOWN。