日々の栞

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イメージの迷宮 / 『快楽の館』 アラン・ロブ=グリエ

イメージの反復

 

 

『快楽の館』はヌーヴォー・ロマンを代表する作家:アラン・ロブ=グリエの小説だ。この『快楽の館』はタイトルからするとただの官能小説のように見えるが、人を選ぶ前衛小説となっている。青い館で行われる夜会と舞台、老人の不可解な死、女を手に入れるために奔走する男。謎に惹きつけられてページをめくっていくが、さらに謎が深まり、真実は一つにならず、色々な解釈が生まれる。決してミステリーのように一つの真相に至らない。一人称は「ぼく」のはずなのに、知りえないはずの光景まで記述されてゆく。まるで夢を見ているよう。そして「意識の流れ」の技法が使われていて、思考がとりとめもなく流れていく。小説内で起こる出来事は時系列に並べられることを拒絶し、ただイメージや場面が反復されてゆく。ある場面が複数の視点で繰り返し描かれている。『去年、マリエンバードで』のようにイメージの迷宮に迷い込んでしまう。読んでいると、出口のない迷宮に迷い込んだ気分になる小説だった。

 

 

快楽の館 (河出文庫 ロ 2-1)

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去年マリエンバートで [Blu-ray]

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