日々の栞

本、映画、ファッションについて気ままに更新

村上春樹の個人的おすすめランキング(長編小説)

2017年の2月に村上春樹が新刊長編小説を出すようです。また世間が村上春樹フィーバーになりそうですね。僕は村上春樹が好きで、殆どの作品を読んできました。そこで村上春樹の長編小説ランキングをつけてみようと思います。かなり好みが偏っていますが...

 

第13位 国境の南、太陽の西

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

 

 

不倫を描いた大人の恋愛小説。『ねじまき鳥クロニクル』から派生的に生まれた作品らしい。そう言われてみれば、『ねじまき鳥クロニクル』に繋がる点がいくつかある。うーん、この小説は特筆する点が見当たらない…村上春樹が好きなら読んでもいいと思うけど、そうでもない人には薦めずらい。この本読むなら他の作家の本読む方がいいかな…あまり心に残るものがなかった…

 

第12位 アフターダーク

アフターダーク (講談社文庫)

アフターダーク (講談社文庫)

 

 

村上春樹作品の中でも前衛・実験小説色が強く、評価が分かれる一冊。『アフターダーク』は小説の人称が特殊で、村上春樹でお馴染みの『僕』という一人称が使われておらず、『私たち』という俯瞰的な一人称複数形で物語が語られていく。この小説が描かれた後に三人称を用いた『海辺のカフカ』、『1Q84』が書かれており、一人称から三人称への過渡期の作品とも言える。視点が切り替わり、深夜から夜明けまでが描かれている。小説の中の時間と同じように深夜に読むと世界観に浸れます。ゴダールの『アルファヴィル』が出てくるあたりもポイントが高い!

 

第11位 色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)
 

 

発売前から話題になっていた村上春樹の最新長編。タイトルが大変長いことでも話題になりました。大学生の時に仲が良かったグループから追放されて、心に深い傷を負った多崎つくる。時が経ち、多崎つくるは自分が絶縁された理由を探るため、大学時代の友人を巡り自分の過去・トラウマに向きあっていきます。グループの中で多崎つくるだけが名前に色を示す漢字が入っていないことから、色彩を持たない多崎つくるとなっています。色彩を持たないというのは、ポール・オースターの『幽霊たち』へなオマージュでしょう。『幽霊たち』では登場人物の名前が色になってます。過去のトラウマと向きあうというモチーフは村上春樹の短編『七番目の男』と共通しています。

 

 

第10位 風の歌を聴け

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

 

 

村上春樹のデビュー作。群像新人文学賞受賞作。村上春樹はデビュー作から、あの独特な文体を完成させてたんだなと。『僕』と『鼠』が出てくる青春三部作の一作目です。そんなに長い小説ではないので読みやすいです。すごく洒落た小説です。

 

第9位 1973年のピンボール

 青春三部作の2作目。「スペースシップ」というピンボールを探し求めるという話。双子の女の子という魅力的なキャラクターが登場します。ピンボールや配電盤など、廃れゆくものへの暖かい眼差しが印象的です。短いのでサクッと読めます。

 

第8位 海辺のカフカ

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

 

 

15歳の『僕』とナカタさんを主人公とする、エディプス王の悲劇を下敷きにした物語。『ねじまき鳥クロニクル』に引き続き暴力というテーマが扱われています。『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』と同様にパラレルにストーリーが展開していきます。個人的には最近の作品より『ねじまき鳥クロニクル』までの作品の方が好みだな。クライマックスの場面は村上春樹でしか味わえないような深い余韻を与えてくれるのでかなり好きです。15歳とは思えないほど主人公がタフすぎて、私も見習いたい。村上春樹の代表作の一つですが、個人的には最近のものより、昔のものの方が好きなので順位は低めです。

 

 

第7位 羊をめぐる冒険

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

 

 

 青春三部作の第三作目。村上春樹の小説ではお馴染みの羊男が登場する。暗めの雰囲気で、読み終わったあとの喪失感がかなり大きい。ストーリーもとても面白く、羊の謎に引き込まれてぐいぐい読めます。耳の描写が多く、読んだあとには何故か耳フェチになっていました。これぞ物語に酔いしれるといった感じです。ここらへんから、お気に入りの作品なので、順位をつけるのが難しくなってきます。ファクトタムというブランドが『羊をめぐる冒険』をモチーフとした服を発表しています。

 

第6位 1Q84

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)

 

 

社会現象にもなったのが記憶にも新しい『1Q84』。謎の宗教団体、空気さなぎという不思議な小説、リトルピープル、ミステリアスな少女ふかえり、とワクワクする要素しかありません。ヤナーチェクシンフォニエッタが壮大な物語の始まりを告げ、心踊る展開。面白くない訳がない!壮大な物語がどのように収束するのか気になってページをめくる手が止まりません。しかし、宗教団体などの社会的な問題(大きな物語)が個人の恋愛(小さな物語)に収束していくのは評価の分かれるところ。これはこれで好きですけどね。ねじまき鳥クロニクルと比べると、やっぱりねじまき鳥クロニクルの方が好みだな。

 

 

第5位 スプートニクの恋人

スプートニクの恋人 (講談社文庫)

スプートニクの恋人 (講談社文庫)

 

 

 なんでこの作品がこんなに評価が高いの?と思う人は多いはず。『スプートニクので恋人』は一般的に評価が高いほうではないはずです。まさにこの『スプートニクの恋人』の順位が高いのが個人的なところですね。他にも初期作品の方が評価が高いとかありますが。『スプートニクの恋人』は文体がとても実験的で、比喩が多い村上春樹作品の中でも過剰に比喩が使われています。『ノルウェイの森』に雰囲気が近いので、『ノルウェイの森』が好きな人ならはまると思います。すみれとミュウと僕のどこにも行くことが出来ない恋をリリカルな文体で描いています。なんというか、このリリカルな文体がとても心に染みます。ちょうど恋愛で悩み、閉塞感を感じていた時にこの本と出会い、心を支えてくれました。定期的に読み返したくなります。心にしみる文章が多いのは『スプートニクの恋人』と『ノルウェイの森』ですね。

 

 

 

 第3位 ダンス・ダンス・ダンス

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

 

 『羊をめぐる冒険』の続編です。喪失感に満ちた『羊をめぐる冒険』と比べると救いのある話になっています。羊男もでてきますよ。なかなか雰囲気がおしゃれになっています。マイナーな部類に入りますが、かなり好きで何度も読み返したくなります。

 

第3位 世界の終りとハードボイルドワンダーランド

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)

 

 こちらも3位!初めて村上春樹を読む人に薦めたい小説。村上春樹独特のクセが少なく、村上春樹が苦手な人でもすんなりと読めると思います。「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」がパラレルに進行していき、ページをめくる手が止まりません。読書でしか味わえない世界が楽しめる静謐な大人のファンタジーです。

 

第2位 ノルウェイの森

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

 

 村上春樹と言えばこの本を思い浮かべる人も多いはず。赤と緑のおしゃれなカバーが印象的なノルウェイの森です。話の内容、性描写の多さ故にかなり好き嫌いが分かれると思います。高校の時に読んだのですが、その時はさっぱり意味が分かりませんでした。しかし、大学生になって読み返してみると、不思議と心にしみるのです。心が渇いている時に読むと、パズルのようにすっぽりとはまります。無性に読み返したくなる時があるんですよね。

 

第1位 ねじまき鳥クロニクル

 

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

 

 

 

第1位は『ねじまき鳥クロニクル』です。妻の失踪から始まり、暴力、大きな物語と広がっていくのは圧巻。ストーリー展開も秀逸で、文章も素晴らしい。特に皮剥の描写は秀逸すぎて、トラウマものです。話の構成的に『1Q84』と対になるような作品です。